Photo ZUMA Press https://toyokeizai.net/articles/-/334003

週明け東京タイムから始まった株も為替も大幅続落からスタートし、特に為替はドル円が一瞬101.500円レベルまでフラッシュクラッシュするという猛烈な下落層がを繰り広げることとなりました。

NYダウ先物は下落幅が広すぎてサーキットブレーカーが発動される始末で、物理的に下落がとめられる状況にはなっていますが、まだまだここから大きな下落がやってくる可能性はかなり高くなりつつあります。

市場ではどこまで相場が下落するのか疑心暗鬼の参加者が不安を募らせる状況になっています。

もちろんこの相場の下落のきっかけは間違いなく新型コロナウイルスが引き金になっているわけですが、一方でWTIの原油価格が大幅に下落するなど副次的な暴落要素が動いており、米10年債の利回りはとうとう瞬間的にせよ0.35%を下回るといった目を疑いたくなるような状況に陥り始めています。

また米国の短期のレポ金利はこうした中でも上昇するなどこちらはこちらで特別な動きがではじめており、とうとう相場は完全に壊れてしまった感もではじめています。

米株も日本株も中央銀行バブル崩壊相場に突入したのでは?

日経平均はいとも簡単に2万円を割り込みはじめ先物を見ていますと、もはや1万8000円割れは完全に目と鼻の先に近づきつつあります。

足もとの暴落相場ですが、日米欧の中央銀行が過剰とも言える緩和により実態経済をはるかに超えるような株価だけの上昇を無理やり示現してきたものが、新型コロナウイルスをきっかけにしてこの中央銀行バブルの崩壊過程に突っ込んだのであればここからまだまだ相場は下がりそうで、無暗な買い向かいは禁物の状況になってきています。

HSBCが今年分析したレポートによれば、過去7年間の日銀による中央銀行バブルはほぼ8000円程度の下駄ばきになっていると言われていますから、2万4000円を頂点とした場合には1万6000円程度まで下落しても決しておかしくないですし、NYダウに関してはトランプ大統領が就任した段階の1万7000ドルレベルまで完全に巻き戻してしまうことすらありそうな状況です。

日米の中央銀行ともにこの3月さらに利下げや緩和を打ち出して株価の下落を止めようとするのでしょうが、実際に相場を見ていますともう利下げなどでこの下落が止まるとは到底思えない状況であり、為替のほうも明らかにこれまでの相場とは異なる時限に突入しようとしている印象があります。

ドル円はどこまで下げるか判らない状況

為替のほうに目を転じてみますと、すでに101.500円をつけるほど週初からドル円相場は大きく下落していますから、もはや100円台への到達は目と鼻の先であり、それよりもさらにどこまで下押しするかが大きなポイントになってきています。

とにかく上述のように米債利回りが驚くほどのレベルにまで低下しており、とりわけ10年債利回りが下落すると間違いなくドル円は下方向に動くようになってきていますから、一体債券金利がここからどうなるのか次第でもっと相場が下落することは十分に考えられるようです。

テクニカル的には完全にチャートが壊れたように見えますから、うかつにレベル感だけで買い向かっても大損しかねないようで、もう少し相場の動きの時間をつくるべきに見えて仕方がありません。

セリングクライマックスが明確に表れればそれなりの戻りを期待することができそうですが、果たしてそういう相場になるのかどうかはまだわからないようです。

下げ三波という意味でいいますとまだ一波すら終わっていない状況ですから、とにかくあせらずにタイミングを待つことが必要になりそうです。

リーマンショックの後もこうした下落相場が何波にもわたって打ち寄せたことを今更ながらに思い出す次第です。