株式相場はいよいよ典型的なバブル相場の様相を呈し始めており、米国、本邦ともに大きな上昇を継続しています。

ただ、市場参加者によってはかなりここからの相場展開に対する予想が異なるものになりつつあり、果たしてどの見方が正しいのかはまだまだ良く判らないのが実情です。

4つの回復シナリオのどれが正しいのか

市場参加者によってかなり見立てが異なるコロナバブル相場

上の図は世界最古のコンサルティングファームとして知られているArthur D Littleが策定した4つの大きなシナリオになります。

まず一つ目が、V字回復でこの新型コロナ禍の相場でも2~3か月ですっかり元に戻るという楽観的な見方です。

実態経済の状況を見ていますと、このような楽観的な展開を期待することはできませんが、株式市場においてだけはこうしたV字回復の楽観論がかなりの勢いで市場を蔓延しはじめており、個人投資家はこうした見方をする人が極めて多くなっています。

またV字ほど急激ではないにせよ、ある程度の時間をかけて元に戻るという見方で、こうした若干楽観的な想定をするシナリオもではじめています。

これがU字回復で機関投資家のほとんどはこうした回復論を支持するところが多くなっているようです。

そして金融業界のアナリストが多く支持しているのがW字型回復です。

こちらはU字回復よりはさらに慎重で一旦戻りを試してもまた下落し、さらに時間をかけることで元に戻るといういわゆるW字回復を予想しています。

アナリストといっても金融業界の人間ですから、どうしても相場がどこかでもとに戻るという予測を立てていることが見えてきます。

しかし、一部の経済学者やヘッジファンドのCEOなどはもっと厳しい見立てをしており、ここからかなりの長期停滞を予測するようになってきているのです。

終末博士でおなじみのニューヨーク大学のルービニ教授はここから10年厳しい停滞局面が続くとしていますし、世界最大のヘッジファンドであるブリッジウォーターアソシエイツのレイダリオも同様に最低3年の低迷を予測している状況です。

このように経済の先行きに対しての見方が異なることが相場の動きにも微妙な変化をもたらしていることがわかります。

現時点ではどのシナリオが正しいのかは実際に経済が進行してみないことには検証のしようがありませんが、実態経済を見ますと、短期間に大きく状況が好転するとは思えないようで、とくに世界的に失業者が激増して次なる職を得る機会が大きく減少していることは、今後とも低調な消費を示唆するものとなっており、かなり危惧されるものがあります。

株価だけは実態経済と関係なく上昇し続けられるのかも問題

こうした4つの回復シナリオとは全く別に、日米の株式市場は完全にバブルとしか思えない上昇を示現しています。

どうやらどちらの市場も個人投資家が大量に参入して株買いを行っているようで、実態経済を無視してどこまで株価が上昇できるのかにも大きな注目が集まりつつあります。

もともと企業の将来的なキャッシュフローの現在価値が個別の株価になっていますから売上も収益も上がらず、GDPも縮減する中で株価、あるいは株価指数だけが上昇するというのは違和感のあるものといえます。

ヘッジファンド勢はかなりの数が株式相場を売り向かっているようですが、結局個人投資家の買い圧力に負ける形で買い戻しを強いられているようで、投機筋が参入しても相場が下がらないという特殊な事態に陥っています。

ただ、どのようなものであれバブル相場は必ず終焉を迎えることになります。

その場合買い向かっていた向きは応分の損失を食らうことになりますから、バブルの採取局面で上昇する相場には注意しながら取引しなくてはなりません。

それにしても、100年に1度のパンデミックとなると今を生きるものは誰も経験していないことから、先行きの見立てもこれだけ異なるものが示現することになるわけです。

果たしてどの予想が正確にこの先を的中させることになるのか非常に注目されるところとなってきています。