東京都知事選が終了したのと時を同じくするかのように、東京での新型コロナ感染者数がうなぎ登りで上昇をはじめています。
新宿など夜の街を中心にしてPCR検査の拡大を行ったことが感染者数増加につながっているとされていますが、これまでも徹底して検査をしてきたわけではないのでどうも上手く過去と比較することができないのも事実で、検査の調整率が飛躍的に向上していることも非常に気になる状況といえます。
3月、4月と非常事態宣言を持ち出して大騒ぎした安倍政権も東京都も経済的的な問題から都市封鎖を再開させたくはないという点ではどうも思惑は一緒のようですが、東京都知事がかなり厳しい警告を発しているのに対し安倍政権側はあまり大したことではないといった雰囲気を醸成しようとしているようでその対応は変わってきている印象を受けます。
7月22日からはかねてから懸案となっていたGo Toトラベルキャンペーンを実施すること宣言していますし、新型コロナがなんら収束していないにも関わらず驚くほど前のめりに経済の再開に打って出ようとしていることが見えてきます。
本邦は事実上ノーガード無策戦法で新型コロナを乗り切るのか足元の政府の対応や西村大臣の発言を聴いていますと、すでになんの対策を打つこともできず、いわばノーガード戦法で乗り切ろうとしていることがかなり透けて見える状況です。
世界的に見ても都市封鎖やステイホームというのは戦争のように可視化された悲惨な事態ではないことから、どの国でも国民を閉じ込めておける時間的限界はせいぜい3か月がいいところで、もはや市民は完全に新型コロナに飽き始めているのは鮮明な状況です。
ただそれと対照的に感染者は増加し始めており、よほど国家管理的な国でないかぎり抑止はできないのが実情になってきています。
他国との比較でいえば日本がこの体たらくな状況なのはある意味仕方ないともいえますが、経済への影響はこれからさらに深刻になることが予想され、日本でも国民の飽きが来ていることや株式市場がまったく新型コロナを無視した状況とは違って、実態経済の悪化はこれからまだ益々悪化することが予想されはじめています。
世界的な株価の下落はまさにここから本番の可能性
リアルな新型コロナ感染のここからの見通しは全く予想できない状況ですが、ひとつだけはっきりし始めているのはすでに市場ではだれも口にしなくなった二番底、もしくはここからの大底といった状況がここから先に示現する可能性はまだ相当高いということです。
金融市場ではすっかり新型コロナの相場への影響が終焉したかのような動きが続きましたが、ここから実態経済がさらに悪化しそれにサヤ寄せするように相場が下落に転じることになれば、まだまだ二番底やさらに大底を形成するリスクはかなり残っていることを感じさせられます。
当然同じリスクは本邦の株式市場にも存在しており、ここからの相場の思わぬ形での暴落にあたらめて注意する必要がでてきているようです。
暴落のきっかけは投資家心理の急激な悪化が起因
株式相場の暴落はとにかくバリュエーションが高くなり過ぎたとか上昇しすぎとかいろいろな原因が語られますが、最大の原因は投資家のセンチメントのいきなりの変化であり、だれかが売りに回って相場が下落しはじめるとそれに追随するようい売りの出口に投資家が殺到することから流動性が完全に枯渇して必要以上に相場が下落することが大きな原因として認識されています。
1987年のブラックマンデーもまさにその類の暴落で、アルゴリズムやAIによる追随取引がさらにこうしたまずい状況を存分に増幅してしまうため想定外の暴落が示現することになるのです。
本邦の株式市場の場合暴落は米国市場からの影響で発生することが多いですが、この新型コロナに関しては自律的に国内起因で暴落することも十分に意識しておく必要がありそうです。
新型コロナによる相場の影響はここ100年誰も経験したことがないもので、たとえ専門家が断定的な見通しを口にしても必ずしも信用できるものではありません。
むしろ個人投資家のリスク意識のほうがよほど相場に効き目をもたらす可能性があることをしっかり事前認識して相場に臨みたいところです。