内閣府が今頃になって国内景気の拡大は2018年10月に終わっていた可能性があり、専門家会議で認定を受けると言い出して物議を醸しています。

2018年10月と言えば、実に1年9か月も前の話で四半期ごとに発表される実質GDPの推移を見ても、既に二期連続以上のマイナス成長は示現していてテクニカルリセッション入りしていたわけで、何を今さらこういう発表をするのか非常にその真意を疑いたくなるところです。

今頃18年10月で景気拡大は終了していたと言い出す内閣府
Chart 時事通信

時事通信の配信についてきた実質GDP成長の推移のチャートが判りやすいので今回転載させていただきました。

確かに2018年10月に天井をつけてからは微減となったものの、その後は2019年にかけて下落をはじめており、消費税の引きあげ前に景気後退がはじまったことは判っていたはずなのですが、なぜかそのまま増税は決行、そしてこれだけでも景気が落ち込んでいる真っ最中に新型コロナの感染が拡大し相場は3月に大暴落となります。

その後、金融市場だけは実態経済を完全に無視する形で株式市場が大きく値を戻す動きにはなっていますが、景気自体はますます悪化傾向にあり、そもそもコロナ以前から落ち込んでいるので、ここから簡単にV字回復やU字回復することはできないという見方が強まりつつあります。

政権は消費税減税を視野に入れ始めた模様

安倍政権はこの秋の国会の解散を狙っているのか、消費税の減税を視野に入れ始めているようです。

具体的には5%に戻すのか一時的に0%にするのかわかりませんが、とにかくこのまま放置しておいた場合とんでもないことになるという認識だけはもったようでなんらかの動きが期待できそうな状況です。

しかし、消費税の減税実施はそれをきっかけとしてまたデフレに逆戻りになる可能性も高く、さらにデフレがデフレを呼ぶデフレスパイラルのスイッチを押しかねないだけに慎重論を唱える学者も多く存在します。

そもそも実施から1年で元に戻すというのは完全に政策の失敗によるもので、本当に実施できるのかが大きな注目点になります。

もともと本邦はデフレを脱却できたとは言えない状況で単なる逆戻りであると言えばそれまでですが、こうした増税の政策は相当民間企業に負担を強いていて、朝令暮改のように変えられてはたまらないという意見もよくわかります。

なぜ昨年10月の実施段階でブレーキを踏むことができなかったのかが非常に残念ですが、無理してでも10%に上げてしまいたいという財務省お思惑がそのまま貫徹された格好になってしまったのは事実です。

結局経済はデフレ逆戻りで長期停滞に突入か

現状の国内消費はどうみても7割経済程度で非常に低迷しており新型コロナ感染拡大の継続で、我々が想像する以上に悪い状況に突入しようとしています。

国内企業の四半期決算も発表になっていますが、悪化は免れずどこかでこの厳しい実態経済に株価のほうがサヤ寄せするタイミングがやってくることになるものと思われます。

今や新型コロナ起因では二番底など一切起きる可能性がないとさえ言われるようになっていますが、必ずしもそうではない状況をよく理解しておく必要がありそうです。

また、国内では東京型や埼玉型と呼ばれるような変種のウイルスが既に発生しそれがエピセンターとして感染を拡大していることもあり、世界各国のコロナの動向とは異なる感染状況が展開するリスクも高まりつつあります。

この場合経済に与える影響も本邦型という特殊なものになる可能性はかなり高く、新型ウイルスが景気と株式市場に与えるネガティブな効果については過小評価すべきではないところにあることがよくわかります。

新型ウイルスについては誰も経験したことがない未知の領域を含んでいますから、安易に先行きを予想し断定するのは禁物です。

その一方でやたらと楽観的に見通しを立てるのも危険で、とくに株式市場には想定外の事態が起きることも覚悟しておくべき状況です。

そうでなくても本邦に関してはそもそもまったく景気のよろしくない中で、増税した挙句にやってきた災禍でここからさらに大きなダメージをもたらす危険性は否定できず、十分な用心が必要です。