例年10月末になりますと、ハロウィンエフェクトなどと呼ばれるように買いを入れて年末まで保有し、利益を得ると言った売買手法を実際に行う個人投資家が非常に多く、古くは翌年3月位まで保有するという黄金の180日などと呼ばれた時期もあったほどでしたが、今年に関しては相場の変動要因が非常に多くなっていることから、このようなトレード手法がワークするのかどうかはよくわからない状況になりつつあります。

しかし、いかなる外的要因が発生してもこうした売買法での成功確率は過去20年近くで見た場合、想像以上に高いのもまた事実で恐る恐るにはなりますが、今年も検討してみる余地はありそうな状況です。

ドル円、豪ドルドル、NZドルドルは例年昨日しやすいハロウィン買い年末売り

過去20年のシーズナルサイクルで見ますとドル円、豪ドル円、NZドル円は次にようなチャートで赤く囲った動きになります。

ドル円
豪ドルドル
NZドルドル

ドル円は円のシーズナルサイクルになりますので上に上がれば円高、下がれば円安なのであとの二つのチャートとは逆さまですが、豪ドルドル、NZドルドルは年末、彼らが夏のシーズンまっさかりになるころはなぜか上昇するのが典型的なシーズナルサイクルで、豪ドル円やNZドル円でもほぼ同じような動きをすることが確認されています。

豪ドルは11月から12月にかけては結構上下動しながら上に向かうようですが、ドル円とNZドルドルは上昇方向になりやすくなりますので、果たしてハロウィンの前後に買い向かって今年も同じような動きを享受できるのかが大きなポイントになります。

どのチャートも赤く囲ってある部分がこの時期の動きとして注目すべき部分です。

ただし新型コロナと大統領選の行方は依然波乱要因

問題は3日に迫った米国大統領選挙の行方で、まず投票自体で決着がつかないことになり司法判断を含めて大ごとになった場合、米株は一旦大きく下落することとなり、その時にドルがリスク回避で買われることになるのか逆に下落するのかによって、ここでご紹介しているような通貨ペアも上昇か下落かが決まってくることになります。

ちなみに、2000年ブッシュとゴアの選挙でフロリダ州の開票結果が接戦となり数えなおし等の問題でもめた時にはS&P500はその間に10%以上下落し、さらにブッシュが勝利宣言をしても一週間近く下落を続けることになりましたが、その間ドル円はなんと6円近く上昇しリスクオフでもドルが買われる動きになっています。

今回もめるとなったときにこれをトレースするような動きになるのかどうかが非常に注目されるところとなりますが、このあたりを見極めてから買い向かうかどうかを決定しても遅くはなさそうです。

今週に入ってからバイデンファミリーのよからぬ話が噴出していますが、すでに不在者投票では5700万人もの人が投票を済ませていますので選挙結果に影響がでるのかどうかははっきりしません。

そういう意味では相当やりにくい相場状況になっているといえます。

また米国、欧州ともに今月に入ってから新型コロナの感染拡大が驚くほど広がりをみせており、欧州圏では次々とロックアウトが実施されるなど、春先の状況よりもさらに悪化していることが窺われます。

こちらはこの先どう展開するのかまったくよくわかっていませんから、やはり相場への影響度合いはその都度見極めていく必要がありそうです。

今年についてはこの新型コロナの影響もあってか、8月ごろから例年のアノマリーやシーズナルサイクルといったものが悉く外れるようになっていますので迂闊に相場を断定するのは危険ですが、年末に向けては実需の動きがはっきりすることからドル円、豪ドル、NZドルはかなり上昇しやすいのは事実であり、とりあえずは打診買いからはじめて追加で買増しをしながら相場の状況を窺うという方法もいいかも知れません。

いずれにしても、今年の相場はあと2か月あまりとなりましたので利益を出せる方法を模索すべき時間帯であり、とにかく試しで買ってみてダメなら素早く損切して入りなおすなり戦略を変えるなりをしてみるのがよさそうです。