Photo AOL https://www.aol.com/article/news/2016/11/28/donald-trump-falsely-claims-serious-voter-fraud-presidential-election/21615587/

国内では完全にバイデン勝利とメディアも報道し誰も関心がないことですが、実は米国大統領選挙は最終的に裁判所が決めるのではなく、あくまで州の議会と知事が選挙人を選出することが大前提になっており、その期限が12月8日になります。

このタイミングまでに選挙人が決定できないと11月3日に実施した選挙の結果は無効になり、1月6日に米国下院議会にて各州から選出された議員によって選挙が行われて、大統領が決定するというプロセスが法制化されています。

この8日に本当に民主党の選挙人が過半数をとって正式決定するのかどうかをしっかり確認しないと、今回の大統領選は終焉とはならない部分が残されています。

国内ではこうした話をするとすぐに陰謀論と括られがちで実はこれが正しいプロセスであり、さすがに選挙人が確定すればトランプも正式に敗北を認めざるを得なくなります。

すべての決着は8日に選挙人が確定できるかどうか

かなり中立的な立場で開票の速報を出してくれることで有名なRealClearPoliticsのホームページによれば、最新の開票状況は以下の通りとなります。

Data Reaclearpolitics

これによればバイデンの獲得数は216、トランプが125、残り197が未決着ということで、8日にすべての選挙人が州議会ならびに州知事によって確定できるのかどうかに注目が集まるところです。

各州の裁判所がトランプ陣営の訴えを退ける動きにはなっていますが、この残りの不確定州の決着が州議会を通じて決着がつくのかどうかが大きな問題で、これが万が一1月の連邦下院に持ち越されるようなことになれば相場はかなり荒れることになりそうです。

8日に選挙人が確定されれば14日には選挙人投票が行われることから、これでバイデン候補が正式に勝利することとなるわけです。

ただ、ジョージア州の公聴会ではバイデン側の不正選挙の証拠も出てきているようで、国内では一切無視されているこの大統領選挙選ですが、実は想定外のことが起きる可能性も出始めていることには注意が必要です。

下院は民主党過半数だが州ベースでは共和党が上回る状況

これも国内では正確に報道されていませんが、仮に年明けに連邦下院議会で各州選出の議員による投票が行われる場合には、全体数は民主党が過半数を占めるものの、週ベースでは共和党のほうが多数という非常に微妙な状況が存在しており、12月8日および14日に決着がつきませんと相当混沌とした状況が続くことになります。

また、14日に正式決着がついたとしても共和党の熱烈なトランプ支持者たちが広範な抗議行動にでるのではないかといった観測も流れ始めており、ややもすれば不穏な事態が勃発することも考えられるだけに、ここからの一週間ほどはこの状況を注視する必要がありそうです。

いずれにしても8日からの一週間については、相場でポジションをもつにしてもかなり慎重に振舞う必要がありそうで、今更大統領選の決着がつかずにもめるようなことになれば株価にも相当な影響がでるでしょうし、そもそも為替ではリスクオフが猛烈に強まることが予想されます。

この場合、ドルが買われずに円やスイスフランが買われる事態もありそうで十分な注意が求められます。

クリスマスまでちょうど2週間ですから妙なことが起こらないように祈りたいところで、リアルな米国の状況は日本で見聞きしているものとは大きくかけ離れているということだけはしっかり認識しておきたいところです。