Photo 中央日報 新型コロナウイルス顕微鏡写真 https://japanese.joins.com/JArticle/273623?servcode=A00§code=A00

今年1月から新型ウイルスの感染拡大が世界的に広がったことを受けて、3月に株式市場では大きな相場の下落があり、当然のことながら為替相場も甚大な影響を被ることとなりました。

しかし、その後株式市場は新型コロナの感染拡大を一切無視する形で大きな上昇を始めることとなり、結果的に米株市場では史上最高値を更新するなど実態経済とは全く関係ない世界で相場が動くというだれも予想しない展開が続くことになりました。

ウォール街の市場関係者からは、むしろ新型ウイルスが継続してくれるほうが中央銀行の緩和が拡大して株式市場にとってはプラスになるといった驚くべき発言も飛び出す始末で、ウイルス関連と全く関係なく金融市場だけが楽観的な相場の推移をたどることとなってしまいました。

今週に入って英国で変異したウイルスの感染が、通常のコロナウイルス感染よりも7倍も強い感染力を持っているというニュースが流れることにより、英国では広域的なロックダウンが実施されることとなり、欧州各国も英国からの人の出入りをブロックするなどの措置に乗り出し、欧州株は大きく下落、ポンドもBREXITの問題よりも深刻な下落を示現する結果となりました。

英国は主要国の中でもいち早くファイザーのワクチンの投与に12月8日から踏み切ったばかりで、もっともはやく終息が期待されてきただけに、この変異ウイルス感染拡大はかなりショッキングな事態となっており、さすがの金融市場もネガティブに反応せざるを得ない状況に陥っています。

北半球全般にこの変種ウイルス感染が拡大すれば相場は一段安の可能性

今のところ英国の問題だけで相場は下げていますが、欧州圏にも当然感染者がではじめておりこの感染が広がりブロックできない可能性は相当高そうで、ワクチンの先行的接種の実施以外ほとんど有効な対策を打てていない米国も同様に深刻な状況に陥ることはほぼ間違いなさそうです。

また、これで既に認可された新型コロナワクチンが変種のコロナに対して効力がないことやアレルギーで大変な犠牲者がでたりしはじめますと、いよいよ金融市場でも本格的な相場暴落を覚悟しなくてはならなくなりそうで、年末から年始にかけては想像以上にクリティカルな状況に直面することを考える必要がでてきそうです。

年末年始シーズンはクリスマスタイムを含めてどこの国でも消費が活発化する時期ですから、このタイミングにおけるロックダウンはほとんど各国経済への打撃を激しいものにするのは時間の問題で、これまで以上に各国の景気が悪化することが危惧されます。

GDPのうちの個人消費が7割を超える米国、6割を超え始めている日本も同様の危機的な状況がいよいよ姿を現すことになりそうです。

ロックダウンは一時的に感染者を減らすが解除するとまたもとに戻る

北半球が真冬に突入するこの時期、どの国も一定期間ロックダウンをすれば確かに人の接触が減少しますので感染率も低くなるのでしょうが、根本的な解決策を行っているわけではなりませんから、ロックダウン解除でまた新たに変種のウイルスが拡散し再度封鎖を余儀なくされるという繰り返しがつづきそうで、ワクチン接種スタートで春先にはすっかりコロナ終息などと楽観的なことを考えていた向きの発想は完全に覆されることになりそうで、下手をするとまだまだコロナ感染は続く可能性がではじめています。

こうした感染は世界的にもほとんど経験がないだけにとかく楽観的な見通しが出やすくなりますが、実際にはここから相当なダメージがでることは十分にありえそうで、株式市場も為替市場もこれからまさかの二番底をつけに行くリスクを感がえる必要がでてきているようです。