週明けは早いもので1月相場も終了ということになります。
先週はバイデン政権誕生を無事こなして為替相場には大きなテーマがなくなった感があり、主要な通貨ぺアは総じて小動きに終始する展開となりましたが、26日と27日にはバイデン政権発足後初のFOMCが開催され、日本時間28日の午前4時に政策内容の発表が行われます。
2021年からはハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、メスター・クリーブランド連銀総裁という2人のタカ派から、エバンス・シカゴ連銀総裁やロックハート・アトランタ連銀総裁といったハト派の2人に入れ替わることとなりため、会議全体としてもハト派色が高まることが予想されます。
政策金利に関しては、2022年までまったく弄るつもりはないというパウエル議長の発言もあり変更は全く期待できませんが、恐らくFOMC後の会見では財政出動の必要性を訴えると共に緩和政策の継続を強調し、市場で燻る早期テーパリング観測の抑え込みを明確にすることで債券金利の上昇を食い止める発言を展開するものと考えられることから、改めてドル安の展開になることが予想されるところです。
バイデン政権の財務長官となったイエレンとの連携によりさらに緩和的色彩を強めるということになれば、株価の上昇とドル円の下落が示現する可能性が強く、為替相場全体としてもドル安傾向に拍車がかかるかどうかが大きなポイントになりそうです。
ドル円はなかなか大きく下落ができない状況に
1月4週目の一週間のドル円は、上値抵抗線が徐々に104円台から下げてくる中にあって1月21日にはなかなか下抜けなかった103.500円を割り込んで1403.300円台を試す動きとなりました。
やはりここから下にはなにか大きな買いが入って相場を支えた模様で、結局金曜日の22日には103.875円台まで巻き戻す展開となって103.700円台で週の取引きを終えています。
週明けも103円台から104円台前半のレンジ的な推移が継続しそうですが、FOMCでさらにハト派的な発言がでて金利が低下することになれば再度下値を試す展開も予想されます。
ただし、現状では暴落するような激しい相場は想定できないことから、年初につけた102.500円を再度試すかどうかが注目されるところです。
また、仮にFOMCの結果とパウエル議長の発言が期待を裏切ることになり、催促相場が示現するような場合でも金利の上昇からクロス円売りがでることになると結果ドル円はドル安方向に動くリスクもあり、一方的にドル高はドル円の上昇につながらないことも意識しておく必要がありそうです。
シーズナルサイクル的にみてもドル円はこの時期下げやすいことから、再度上昇がはじまるとしても2月に入るまでは今のような状況が続く可能性は高そうです。
そういう意味ではこの時間帯ドル円を積極的に取引きする妙味はかなり薄れそうで、ほかに動く通貨ペアに注目することのほうが効率を高める可能性もありそうな状況です。
ユーロドルは上昇しそうだがファンダメンタルズ的にはかなり厳しい時間帯に
一方ユーロドルは1月20日のNYタイムに1.20766の底値をつけてから反転して上昇をする動きになっていますが、それでも1.22を超えることができず、意外に上値も伸びない限定的な推移になっています。
こちらも27日のFOMC次第ではさらに上昇する可能性も考えられますが、ファンダメンタルズ的にいえば英国、EUともに新型コロナウイルスの変種の爆発的感染拡で都市封鎖の影響が明確に経済に出始めていることから、経済的なリスクがユーロ買いの上値を抑えることになりそうで、やはりこの通貨ペアも大きな展開にはならない可能性がではじめています。
全般的に大きなイベントを超えて為替相場全般に落ち着いた動きになってきており、為替相場は全体として次なるテーマを待っているように見えます。
バイデン政権の政策が実際にどうなるのか、また新型コロナバブルで史上最高値を更新中の相場が果たしてこのまま継続して上昇軌道を維持していくことができるのかなどがこの先ごく近い将来に相場を左右するドライバーとなる可能性があることだけはしっかり意識しておきたいところです。
1月後半は日米ともに株式市場が弱含むのがシーズナルサイクルですが、今年に関しては値幅を伴う下落もまだ見られていないことから、為替もそれほど動かない展開になっています。
果たして今年は例年のアノマリーを全く意識させない動きを継続させるのか、一定の下げを示現することになるのかどうかに引き続き注目していきたい状況です。