2月は短いことからすでに週明けは最終週に向かおうとしています。

先週は米10年債金利が大きく上昇を始めたことから、ドルもそれにつられて上昇する形となりましたが、ここからさらに上昇するかどうかでドルの動きに大きな影響がでそうな週となりそうです。

Data okasan shoken

昨年3月に新型コロナ起因で相場が暴落しFRBが無制限緩和を打ち出してからは、米10年債金利はかなり低いレベルで推移してきましたが、ここへきて急激に金利が上昇しはじめており、債券市場では本格的なインフレの到来を心配する声が上がり始めています。

株式市場や為替市場を中心にして取引きをする個人投資家にとっては、あまり債券金利の上昇はピンとこないものがありますが、実はこの上昇はあらゆる金融商品の価値に大きな影響を与えるものだけに決して見逃すことのできないものであり、ここからの動きが非常に注視されるところとなっています。

ドル円は米10年債金利についていきやすい状況

先週大きく上昇し106円台をつけたドル円は週末にかけて一転して下落をはじめており、ややもすればさらに下値を追いかねない状況に見えますが、それでもここからは債券金利と米国株式市場の動向次第の動きになりそうで、明確にレンジを抜けるのかまたはレンジ内の動きになるのかを見極める必要がでてきています。

シーズナルサイクル的には、3月は中盤まで比較的ドル安の動きが続きやすく後半に上昇することが多いわけですが、104円を下抜けないかぎりドル円が円高方向に大きく動く可能性も低そうで、当面こうした材料を眺めながらのもみ合いが続きそうな動きになってきているようです。

そもそも金融市場では為替は大きなテーマとなっていないことからその動きはかなり流動的で、いよいよ年度末も近づきそれなりの動意が示現する可能性に注意していきたいところです。

ドル円4時間足

菅首相は衆院予算委員会で野田元首相(立憲民主)から日経平均株価や原油価格など各種経済指標のうち、最も気にしているのはどれかとの質問に為替と答えて注目されることとなりました。

米国との関係を考えた場合、政治的にもこのレベルのドル円水準から何か手立てをして、さらにドル高円安に向かわせることなど到底できないのが現実で、何をもってしてこうした発言を繰り出してきたのかかなりクビをかしげさせられる状況です。

ユーロドルはファンダメンタルズ的に上を目指すか

ドル円以上に方向感を失っているのがユーロドルです。

前週は週のはじめに1.2123で寄り付いた後、株高のリスク先行モードで約3週間ぶりに1.2170までのユーロ高モードとなりました。

ただ、その上まで上伸する力はなかったようで、週の後半は結局一旦下落に転じる動きとなって1.21173レベルで週の取引を終えています。

ユーロドル4時間足

週明けはファンダメンタルズ的に経済の回復感がでてきたことを背景にユーロドルはもう少し上を試しそうな状況で、それでも大きなトレンドがでるほどの値幅を期待するのはむずかしそうです。

週明けの欧州経済指標の回復が明確になればユーロ上昇のはずみがつく可能性にも注目したいところです。

全般的には大きな動きがでないまま推移する為替市場ですが、とれるところをしっかり積み上げて利益を確保していくことが肝要な一週間になりそうです。

ただ、ユーロドルも米債金利の変化や株式市場の動きに影響を受けるであろうことは間違いありませんので、注視していくことが必要になりそうです。

株の動きに比べますと今一つ取引き妙味にかける為替ではありますが、今年はどこかで大きな変動がでることは期待できそうで、今しばらく我慢の時間帯が続きそうです。