2月最終週の為替相場は米債金利の上昇とともに大きく動く相場を示現することとなりました。

米国10年債金利の上昇には様々な理由が語られていますが、インフレ懸念やFRBによるテーパリング懸念などから上昇し始めたのは確かなようですが、上昇過程でファンド勢が大量に米債を処分売りしたことも急激に金利の上昇を招いてしまったようです。

一時的に米債金利が1.6%を超えたことでドル高と円高が同時に起きるような事態になっており、それでもドル円は106.69円レベルまで上昇することとなりました。

リスクパリティファンドなどの機械的な持ち高調整は債券のみならず米株などでも行われており、投資先の逃げ場を失っているようで、ここからさらに金利が上昇するようですとそれが起因して債券売りが続くという繰り返しが起きる可能性も高そうで、3月相場にはかなり注意が必要になってきているようです。

週末にかけて一旦米10年債の金利は下落していますが、ここからさらに上昇することも考えられるだけに注意が必要な1週間です。

ドル円は週明けさらに上昇か

ドル円、クロス円のチャートを比較すれば一目瞭然ですが、クロス円はほとんど円高に動いている中でドル円だけがドルと円の強弱感から上昇していることが窺われます。

したがって週明け以降、米債金利がさらに上昇することになれば緩やかなドル円の上昇が起きる可能性はかなり高そうで、ここからどこまで上昇するのかに注目が集まります。

ドル円4時間足推移

チャート上には表示されていませんが200日移動平均線や一目均衡表転換線を上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転やバンドウォークも点灯するなど、テクニカル的にはほぼ上方向を示していることから市場参加者のほとんどが上昇を期待して相場に入ってくる点にはかなり注意が必要です。

この時期ドル円は本邦輸出勢のレパトリによる円買いの影響なども受けやすいものですが、今年は新型コロナの影響で大きな金額の国内への戻しは起こらないという予想も出てきており、需給次第ではさらに上昇することも覚悟しておくべき状況となっています。

週内ではここから1円程度の上値追いも考えられますが、ドル高と円高が一緒に進行しているだけにドル円が一方的に高値方向に動くとも思えず、上昇はあくまで緩やかなものになることが期待されます。

ユーロドルは逆にダウンサイドリスク上昇

ユーロドルは上昇が期待されましたが週末にかけて値を大きく崩すこととなりほぼ1週間ぶりに1.206レベルまで下落することとなりました。

こちらもリスク回避、かつ米債金利上昇下でのドルの上昇の影響を大きく受けていることが窺われ、週明け以降はさらに下落が進むかどうかが大きなポイントです。

テクニカル的には一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドを下抜けするなど地合いの悪化が窺われるだけに、さらに売り込まれると2月初旬につけた1.19台中盤位までの押し込みもあり得そうな状況といえます。

ユーロドル4時間足推移

ここからの相場の見通しはプロでもはっきりしない状況に

米下院では200兆円規模の追加経済対策法案が可決されたことから上院で修正がかからなければ週内にも法案が成立しそうな状況で、これが始まるとミレニアル世代を中心とした全世帯の半数近くに1400ドルの追加給付金が支給されることになります。

これは個人投資家の株式投資原資になる可能性がかなり高そうで、一旦株価は持ち直すことになり金利の上昇も止まる可能性がでてきています。

しかし冒頭にも指摘しましたようにテクニカル的に債券や株式が売られることが続いた場合、想定をはるかに超えるような相場の下落も全くない話ではありませんので、ここからはあくまで相場の動きを見ながら動いた方向についていくといった姿勢が重要になりそうです。

ドルに関してはかなりプロの運用者の間でも上昇するのか下落するのか、ここからの見通しに対する意見は異なるものとなっています。

ただ、FRBが緩和を続けていれば株価は上昇軌道にのって安泰と楽観視するほどいい状況ではなくなっていますので、予断を許さずにフレキシブルに対応できるように心がけることが必要な3月相場になりそうです。