4月第二週は英国のBREXIT問題にどのような決着がつくのかが注目されましたが結局のところ10月までの延期がEUの緊急サミットで認められたことから大きな動きにはならずに終わる肩透かしの一週間となりました。
米国と中国の貿易交渉も両国が双方で進展しているといった発言が聞かれる割には具体的な進捗内容は一切開示されておらず、トランプ大統領が頻繁に口にするように合意が近いという説明が本当なのか株価を下げさせないための方便なのかの見分けはいまひとつつかない状況になっています。

週明けの為替市場では、いよいよ15日から日米通商交渉が開始となることから米国側の要人がドル高けん制の発言を出してくる可能性は十分にあり先週末に112円台まで上昇したドル円は一転円高へ反発することにかなり注意が必要となりそうです。また本格化する米国企業の決算についてもグローバルにビジネスを展開する企業ほど米中の貿易問題の影響を受けた可能性が高いことから予想外の決算悪化による株価の下落に起因したドル円の下落にも注意が必要となりそうです。
国内の大型連休までちょうど2週間となりますので個人投資家や短期の投機筋が一斉にドル円の円売りドル買いポジションを圧縮する動きは週末に向けて強まる可能性は十部にありそうでこちらも注視していかなくてはならない状況です。

米株は米系企業の自社株買いが支えているとのレポート

4月5日にゴールドマンサックスがかなり刺激的なレポートを発表し市場で大きな話題になりつつあります。A World Without Buybacksと名付けられたこのレポートでは、リーマンショックから2年後の2010年以降FRBが開示しているデータを利用して分析したところ米国企業の自社株買いは年間で平均4200億ドル、日本円で実に47兆円弱に達しており、個人世帯、投資信託、年金、外人投資家の購入がそれぞれ100億ドル未満であったことと比較すればそのほかの投資全体と比べても莫大な金額に上っていることからこれが何等かの形で中止や縮小を余儀なくされた場合、米株市場は大きく下落することが予想されるという内容になっています。

おりしも、米国では民主党、共和党双方から企業が社債を発行して自社株買いに奔走するのは一部の富裕層を作り出すだけでおかしいという声がかなり高まりつつあり、2020年の大統領選挙に向けても自社株買いを規制する法の整備などがかなり大きなテーマになろうとしています。株価の上昇で付与されるストックオプションを高値で経営層が売り抜けるためだけにやっているとの批判が強まれば今後自社株買いが終焉する可能性もあるだけにここからの動きが見逃せない状況です。またこのことが社債市場にも波及することになれば、BBB格のジャンク債ぎりぎりの債券の格付けダウンなどが起きて相場の混乱は株式市場から社債市場に広がることも懸念されます。いずれにしても出来高が伴わない企業の自社株買いだけに支えられた足元の米株相場の上昇は実に不自然でいきなり巻き戻しが来るリスクがあることは相当意識しておくことが大切です。足元では順調に上値を追う動きのNYダウもここからの相場に変化がでることも意識する必要がありそうです。

円の反発に注意の一週間

ドル円は依然として下目線が重要

円の反発に注意の一週間

ドル円1時間足

112円に久々もどったドル円ですが、政治的に相場が影響をもっとも受けるだけに
週明けからの1週間は依然として下方向に相場が押されるリスクに気をつけたいところです。先週は110円台中盤から下にかなりの買いオーダーが並んだようで本来は絶好の買い場となってしまいましたが、今週から史上初の10連休明けまでは再度下方向を意識して売買することが大切な時間帯になりそうです。
今週だけでドル円が110円を割れるような大きな下げになるかどうかは想定しにくいところですが、日米通商協議でトランプやムニューシンが為替に言及した場合にはファンド勢の多くがドル売り円買いを待ち構えているとされているだけに予想以上の下落につながることも意識する必要がありそうです。

ユーロドルは欧州の景気動向の影響が再燃か

円の反発に注意の一週間
ここのところBREXIT問題がはっきりしなかったことから一方的には売りにならなかったユーロでしたが、週末中国の輸出が伸び、新規融資額も大きく上振れしたことを好感しユーロは対ドルでも対円でも大きく上昇して1.13周辺で週の取引を終えました。
しかし週明け日米交渉のスタートで円買いが再燃することになればユーロの動きにも変化がでそうな状況です。さらに米国がEUに対して自動車関税の引き上げ実施を示唆する発言を始めており、欧州委員会も米国製品に対して200億ユーロ規模の関税措置のリストを17日に公表するとしていますので、こちらも貿易問題が大きくクローズアップされそうな気配です。そもそも欧州景気は非常に悪化しつつありますからユーロを買うという地合いではまったくなく、戻りにはそれなりの売りが待ち構えていることも意識する必要がありそうです。円が買われ、しかもユーロも弱いとなるとユーロ円が大きく値を下げる可能性もあり、通貨ペアのチョイスにも工夫が必要な一週間となりそうです。