いよいよ6月相場入りとなりますが、どうも直近の米株の動きを見ていますと今年もセルインメイが十分に機能しそうな嫌な雰囲気が醸成されつつあります。

日経平均は米株の動きとの相関性が高いことから米株が崩れだすと6月は結構下押し相場が示現する可能性が高まることになり、米債金利の低下も手伝ってドル円も下押しするリスクをかなり考える必要がでてきているようです。

6月は米株市場にさらに大きな変化到来

米株はNYダウ、S&P500 ,NASDAQともに高いところをやり過ぎている感があり長期投資の機関投資家やファンド勢はもはや全く買いに参加していない状況が続いています。一部のファンドはそれでも買い上げに加担しているようですが、5月相場でもっとも動いたのは米系企業の自社株買いであると言われています。しかし例年この自社株買いは5月末で一旦終焉することが多く、6月に入ってぱったり買いが止まることになった場合上昇のドライバーが絶たれることから相場は季節循環の影響も受けて下押ししやすくなりそうです。

NYダウはすでに2018年1月、同年10月、そしてこの5月とトリプルトップをつけて下落に向かいそうなチャート形状となっており、かなり注意が必要になってきている状況です。

Data Tradingview

米債金利の低下も進んでいることからこれにドル円が巻き込まれた場合再度下押しを試すことになりかねず、株価の推移はドル円に非常に影響を与えそうです。

足元では109円台前半にかなり大きな本邦勢の買いが控えておりこれを崩せないままにショートカバーがでて下攻めは一旦失敗した形になっていますが、ここから大きく上昇する力もないようで、110円台を上方向に大きく上昇する可能性はかなり低いのが現状で、依然として2015年ごろから延々と続いている三角持ち合いが継続中であることからマグマが溜まりつつある状況です。

6月は20日から大阪でG20サミットが開催されますが、このタイミングに開催が予想されている米中首脳会談がまさかのキャンセルといったことになり、3250億ドルの残りの中国製品に対する関税25%実施が正式に決定することが決まれば米株は相当下落することが予想されるだけに6月はまだ相当危険がたくさん隠れている月になりそうです。

ドル円日足推移

日本市場起因のドル円は8月に後ずれしそうだが

一方国内の状況を見ますとトランプ大統領の訪日でとにかく日米通商交渉の結果は8月以降に後ずれする形となることが明確となったことから、いまさら消費増税見送りや衆参同時選挙開催が決まることになれば日本株の下押し要因はかなり軽減される可能性も出てきています。こうなると円高が再燃するのは8月以降に後ずれしそうな雰囲気もありますが、米株が先に崩れることになれば日経平均は容赦なく下落についていくことが考えられ、ドル円も8月を待たずに下攻め再開となるリスクもかなり大きく残っている状況です。安倍政権はいまのところ10月の増税を見送るつもりがないとかなり強気な姿勢を見せていますので、このまま増税に突き進むことが決定してしまいますと株価は前倒しで崩れる可能性も高まります。

相場の大幅な下落のタイミングを正確にあてるというのはかなり難しいものがありますが、とにかく戻りを試したら常に売りから参入することで突然の相場の異変(特に下落)に柔軟に対応できるように準備をしておくことが必要になりそうです。リーマンショックからすでに11年を迎えようとしている今年、年末まで何事もなく相場が推移するとはとても思えない状況です。6月からはいよいよまさかの時に備えながらトレードすることが重要になりそうです。