交渉の落としどころが見えなくなった米中貿易対立
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先週末から突然報復関税合戦がはじまった米中の貿易紛争ですが、週が明けても全く先行きの見通しが立たない状態で、トランプ大統領が比較的楽観的なことを口に出せばアルゴリズムがすかさず動いてドル円は上昇するものの、あとが続かないとまた下落するという要人発言次第で相場が上下に動くかなりやりにくい相場状況が継続中です。80年代の米国の事例を考えても関税をかけあったからどちらかが勝利するということは全くなく、結局のところそれに関与した双方の国がダメージを追う形で経済が悪化することになるのは目に見えているにも関わらず、延々とこの手法をとり続けるトランプ大統領のやり方に流石に市場もあきれ果てはじめている印象が強くなってきています。

中国から自主的に連絡してくることはない

気位とメンツを重視する中国ですから、まずこの国が折れて米国に連絡してくるなどということは全くないわけですが、トランプ発言からこうした誤報のような内容がメディアのヘッドラインを飛び交う形になっていることから為替の取引も相当やりにく、中国と電話会議をしたのしないのといったネタで相場が乱高下する非常にやりにくい状況が延々と続きそうな気配でトレーダーとしても相当慎重に取引することが求められるようになってきてます。それでも26日トランプ大統領は中国との貿易交渉を再開することを表明しており、発言そのものがきわめてわかりにくいものになりつつあります。

一方で米企業に中国からの事業撤退を要求するトランプ

先週段階では頭に血が上り過ぎたせいももあるのか、トランプは米企業に対して中国から事業を撤退させ米国内で生産を拡大する要求を出すなどかなり中国に対する対立意識を鮮明にしている状況で、ムニューシン財務長官はこうした権限は大統領にあるといった発言をしていることからまったく現実性のない話ではないとの見方も広がっています。これが単なる脅しに過ぎないのであれば大した話ではありませんが、9月から現実に関税の引き上げ適用がはじまると両国経済に与える影響はかなり大きくなりそうで、それだけでも中国の人民元はさらに対ドルで下落しかねないという予測も出始めています。

恐らくこのままでいけば9月のFOMCでもさらに大幅な利下げをマーケットは要求してくるようになることでしょうし、催促相場の形で株価がより下値を模索して下げる事態に陥っても決しておかしくはない状況です。

こうしてみてきますと何が現実のものとなり、どこまでがはったりで実現性のないものなのかの境界線がわからなくなってきていますし中国の報復措置が関税を超えたものになった場合、相場に与える影響はかなり大きなものになることが予想されます。

中国が米債売りに乗り出した時が非常に危ない

今のところ明確にはなっていませんが、中国は春先から米債をかなり積極的に売却し、その代わりに金の購入を加速化しています。今回の米国からの追加関税措置に対して考えてみますと750億ドルの中国からの報復関税は米国からの追加関税の四分の一にしかなっていないわけですから、為替の元安操作や米債の売却でさらに対抗措置を強化していくことが鮮明になった場合、株価もドル円もさらに9月に絡む形で下落を進める危険性も出始めています。

今のところ1998年の米株の動きと驚くほど今年の米株の動きが似ていますので、このまま同じように動けばもう一段の下落が現実のものになってしまう危険性もあり、断定はできませんが柔軟に相場の動きについていけるように準備をする必要が出てきているようです。トランプ発言の真偽のほどがはっきりしないなかでアルゴリズムだけが妙にしっかり反応する相場はどうしても巻き込まれて損をしやすくなりますから、タイトなストップロスを常に置くなどして大きな損失を食らわないといった対策をとることも必要になってきてます。