主要な中央銀行の政策決定会合ウイークとなった先週を無事通過し、為替市場はすっかり材料出尽くしの状況で、その後の主要通貨ペアの動きもよくわかりにくい状態が継続中です。

週明けは事実上9月最終週ということもあって決算がらみでの特殊な需給がでることも考えられるため、前週からの延長線上で考えず柔軟に売買ができるようにしておく必要がありそうです。

ドル円はレンジからどちらにブレイクするかに注目

ドル円30分足 FOMCを挟んだ前後の動き

ドル円はFOMCで市場の予想通り0.25%の利下げが実施されましたが、その後の利下げについてはあくまで市場の状況次第ということで、積極的に利下げを織り込む内容が示現しなかったことから一旦上方向に上昇する相場となり、なかなか抜けなかった108.500円を試しに行く動きとなりました。しかしさすがにこのレベルは本邦の輸出勢の売りのオーダーが並んでいたようで、とくにトヨタと思われる自動車メーカーがかなり大玉の売りをだしてきたことからロングをしかけたファンド勢は撤退を余儀なくされ、投げ売りがでることで108円割れへと押し戻される動きになっています。また週末の金曜日ニューヨークタイムに中国の交渉団が米国の農家を視察するのを急遽取りやめたというニュースが流れると、米中の交渉が市場が楽観的に考えているよりも厳しい状況にあるのではないかという観測が強まり、一転してリスクオフの動きになり米株もドル円も下落することとなり、ドル円は107.500円ぎりぎりのところで週の取引を終えています。いままで楽観的すぎたのではないかと思われる節がありましたが、ようやくもとに戻ろうとする動きを示現してことになります。

ただ、現状では下落方向にトレンドでているわけではなく相変わらず109.000円と107.000円の値幅でのレンジ相場の最中ということで方向感はまったく感じられません。これが週明けからの動きで一方向に抜けていくようであれば新たトレンドを形成する可能性がでてきているといえます。

週明けからの一週間は事実上の9月の最終週ですから本邦は半期末にも差し掛かっておりレパトリなどでの資金の円転需要が多くなり、東京タイムの仲値近辺とともにLondonFixの午前零時近辺の円買いにも注意したいところです。

ユーロドルも1.1をはさんだ動きを継続か

ユーロドル30分足推移

ユーロドルはECB理事会後に大きく売られる展開となりましたが、その後はいきなり大きく戻すという展開になり現在はやはりトレンドレスで1.1をはさみながら動いている状況です。上値は6月高値と8月高値を結んだレジスタンスラインで抑えられていることからもう少し下落してもよさそうなものですが、FOMCを経てドル円が弱含む場面もあることかた相対的には大きく下落するかどうかははっきりわからない状態になってきています。ファンダメンタルズ的にはユーロ圏経済をドイツを中心として中国の影響を受けてかなり弱含んでいることに加えイタリアの財政不安、トルコ、中東をめぐる地政学リスクなどプラスに働くものがほとんどない状態で、戻せば売りを考えるべき状況ではありますが、1.1を割り込んだらしっかりリカクをしてくことも重要な相場になってきています。週明けはドイツの製造業、非製造業PMIが週明け9月23日、翌日にはIfo景況指数が発表になりますが、軒並み弱い数字になればいよいよレンジを抜けて1.09の方向を目指しに動くことも考えておきたいところです。

ポンドは政治銘柄~あくまで報道ベースでの上下動に注意

ポンドドル30分足推移

ポンドドルもFOMCを挟んだほかの通貨ペアと同様のスケールを示していますが、大きく動くのはやはりBREXIT関連での報道のヘッドラインにアルゴリズムが敏感に反応したときで、BREXIT回避に向けて少しでもいい材料がでますと驚くほど買い戻されるものの、逆に悪い材料が出始めると容赦なく売られる状況でこれが10月31日に向けて延々と続くことが予想されます。ボリスジョンソン首相はEUとも接点を持ち始めているようですが、まず英国の議会で決定となったBREXITの3か月延長をまずEU側に持ち掛ける必要があるものの、依然としてその話にはなっていないのが気になるところです。同首相は合法的に動くといっていますから10月31日のBREXITの実現の可否はかなりEUにボールがあるようにも見えます。ただ相場自体は楽観論が飛び出した時がもっとも大きく動きやすいのも事実で期待や思い込みだけで取引しない慎重さが求められるところです。

総じていえますのは大きなイベントを消化して市場のテーマがはっきりしなくなってきていることで、米中の協議、イラン問題、香港のデモ、BREXITなどどれをとっても先行きがはっきりしない状態ですから市場参加者にも方向感が感じられないのが正直なところです。一部のファンド勢は無理しても負けるだけなので市場から一旦でて様子見をしている状況で、個人投資家も方向がわからないと思ったときには無理せずに一度静観してみるというのも重要な方法になりそうです。