10月14日からの一週間は静岡や関東地方を中心として東日本は台風19号の甚大な被害が発生し、トレードどころではない個人投資家がたくさんいらっしゃったことと思います。大きな被害なく切り抜けられた方はラッキーですが、被害にあわれた方には改めてお見舞い申し上げます。
為替相場のほうはといいますとドルやユーロはほとんど動かないにも関わらずポンドが大きく値を動かす原動力となり、相当荒れた相場が展開することとなりました。
先々週末、突然英国首相とアイルランド首相が会談を行うという報道がでてから急激にポンド売りが解消する動きとなり結果的にポンド円では実に11円のショートカバーという形に買戻しが進みました。たしかにこの報道によるところが大きかったといえそうですが、あまりにもポンド売りが溜まり過ぎ、この報道がきっかけになって大きく買戻しが起きただけで、実は報道が利用されただけの感も強く残ります。
実はこうした動きは2016年11月の米国大統領選挙の時にも見受けられたもので、あまりにも事前評判でトランプが当選したら株も為替も暴落するといったうわさが広まり過ぎて開票前にショートが溜まり過ぎたことから結果的に相場はトランプの当選で猛然とショートカバーを示現することになり、逆に上昇に転じる動きとなったのは記憶に新しいところです。株式市場はまた別ですが、とにかく為替に関したは投機筋は売ったものはどこかで買い戻さなくてはなりませんから、大きくショートにポジションが傾いた場合には必ず逆の動きがでることに注意しなくてはならないことを改めて先週の相場が教えてくれたと言えます。
ドル円もポンドの思わぬ上昇に引っ張られる形でしゅうの半ばには108.941円まで値を上げる展開となりましたが、109円を超えるほどの力はなく上伸していくには相当なエネルギーが必要であることをあらためて感じさせる展開となっています。
週明けもポンド次第のところがありますが、シーズナルサイクルから言っても一旦下値を確認する動きになる可能性は十分に考えられ、再度上値を試しにいくのはそれからになりそうな気配となってきています。
週明けもポンドの影響を見ながらの展開か
週末、英国では19日に土曜日ながら異例の下院議会が開催されましたが、ボリスジョンソンがEUと取り付けてきた合意内容を投票することを避け離脱延期を決める内容となったことから相場はかなり嫌気しており週明け早々からもまたポンドが売られる展開が示現しそうな状況です。ただ、週足など長い足のチャートで見ますとポンドドルもパリティまで行きそうな雰囲気は見られず、仮にまさかの合意なきBREXITに陥ったとしてもそれほど大きな下落にはならない可能性も出始めている点には注意が必要です。
ドル円自体は今週それほど多くの材料があるわけではないことから依然としてポンドの影響を受けやすそうな展開が想定されますが、徐々にその影響が薄れていくことも意識しておきたいところです。
今年もハロウィン買いがワークするかに注目
さて、今年も早いもので10月後半にさしかかってきています。例年米株相場やドル円相場などではハロウィンのころに相場が下落したところを見計らってロングを入れて年末に売るといったいわゆるハロウィンエフェクトの売買というものが盛んにおこなわれるわけですが、今年はFRBの隠れQEのおかげもあってか殆ど株も為替も下押しすることがなくなってしまっており、ここからいきなり買い向かうのはなかなか難しい状況が続いています。並行してBREXITの問題でポンドが上下動していることも余計な動きといえますが、果たしてハロウィン買いがワークするのかどうかに注目していきたいところです。これまでの米株市場ではQEによりFRBの資産が拡大している最中は必ず株価も上昇していることから安易に売りに回ることはできない状況です。しかし無理やり続いている中央銀行主導のゴルディロックス相場が本当にここから継続できるのかどうかについてはかなり怪しい部分もあり、マーケットでは18日のNYタイムで相場の下落に耐えられるように多くの市場参加者が株のプットオプションを購入しているという事実もあり、市場が疑心暗鬼に陥り始めていることも垣間見えてくる状況です。ハロウィンで買いを入れるならいつでも出られるようにストップロスをしっかり置いておくなり、トレーリングストップを置くなりの適切な安全策を施すことが重要になってきそうです。今年は特に為替相場が動かないだけになんどかうまく稼ぐ方法を考えたいところですが、相場に絶対はありませんので方向を断定せずに柔軟に対応できる方法を考えていきたい時間帯です。