すでにクリスマス休暇入りしているはずの相場ですが、米国株式市場は連日高値更新で、いわゆるメルトアップ、本来なら溶けて崩れる筈が上に大きく持ち上がるというバブル相場が形成されています。

こうしたバブルの最終局面では、株式相場とコモディティの相場がもっとも走るとされていますが、まさにその通りの状況になりつつあります。

シラーPERはなんと30を突破する大バブルを形成

国内では普通のPERが実に常態的に株式市場の世界で使われているわけですが、現在株価を一株当たりの純利益で割ったものがPER・株式収益率ということになります。

それに対してシラーPERは、ノーベル経済学賞を受賞したロバートシラー教授が開発した独自のPERで、現在株価を過去10年間の1株あたり純利益の平均値で割ったもので、その期間のインフレは補正する必要がありますが、10年間の1株あたりの純利益の平均値を利用することにより、一時的な株価収益率ではないものを見極めることができる点は非常に抜群と言われています。

一般的にこのシラーPERは25を超えると、相当割高で長期投資などをするタイミングではないと言われますが、S&P500はとうとう30を超える始末で、過去10年の平均と比較しても超絶の割高なレベルを突き破ってしまっていることが確認できます。

そもそもシラーPERが30を超えたのは20世紀から今日に至るまで見ても、1929年の大恐慌の前に30を超えたのと2000年のITバブルの絶頂期に30を超えただけで、状況がいかに楽観的相場であるのかが非常に理解できる状況です。

過去2回の30超えのシラーPERも数字が出てからの経過時間は違うものの、その後に相場が大幅に下落しているわけですから、現在の中央銀行がむりやり人工的に作り出している相場の状況がバブル末期で走りに走ったとしても、一体どこまで続けられるのかについては非常に危機的な感覚を覚える次第です。

モルガンスタンレーの予測では2020年4月までこの相場は続く可能性

バブル相場の最終局面、エリオット波動でいえば第五波動目というのは、長く続くエクステンションの状況が現れることもありますし、逆にいきなりとん挫して下落を始めることもあり、プロがみても相場の反転大幅下落時期を見極めるのは相当難しいものがあると言われています。

足元の状況はどうもこれに当てはまるようで、米株市場では乗り遅れた向きがクリスマス返上で買いについて行く動きをはじめていますし、なによりAI実装のコンピュータ売買がこのメルトアップ相場を大効く支えているようです。

モルガンスタンレーが発表した直近のレポートによると、今年は3つのステージに分かれて相場が動いたとされており、今の3番目の相場状況は依然として継続中という見方をしている点が注目されます。

さすがにFRBが越年資金として53兆円も市場にドルを流し込めば、株式市場にそれが投入されるのは当たり前ですし、ドル安傾向が実現するのは当然の状況ということができます。

同社の分析では来年4月までは続く可能性が高いものの、FRBが資産買入を緩めるタイミングではやはり相場は下落の洗礼を受けるリスクがありそうで、緩和がどうなるのか次第で株式市場が変化するというかなりFRB頼みの状況に陥りそうです。

リアルな米株の水準は相当高いところまで持ち上がってしまっており、FRBが引き続き資産買入を行ったとしても本当に株価がずっと上昇を続けることができるのかどうかはかなり疑問が残るところです。

既に市場はいいことにだけ反応し、悪いことはほとんど気にしないという特別な雰囲気が漂いはじめていますが、相場暴落はなにかをきっかけにしていきなり現れ始めるものであるだけに楽観は禁物なところにきています。

為替市場はこうした相場でもドル高が実現するわけでもなく、クリスマスをはさんでほとんど動かない相場になっていますが、27日から事実上2020年の相場が始まることになりますので、果たして今のセンチメントをそのまま続けることができるのかどうかも注目されるところです。

ほとんどの市場参加者が楽観的な見通しを立てるともう相場の上昇はお仕舞いであると言われますが、どうもかなりそれに近いところに我々はたたずんでいるようで、この年末から年始にかけても従来にもまして注意深い取引が求められることになりそうです。