東京市場では相変わらず新型肺炎の感染問題が大きなテーマとなっており、中国での感染者が一気に拡大するなどといった動きが出るたびに株も為替も相場は下落傾向が続く事態になっています。

しかし状況が徐々に変化し始めているのが、日本国内における感染者の増加です。

水際で感染を止めるということに大失敗したようで、潜伏期間が終わったのか国内の広範囲の地点で感染者が発見され始めていることから二次感染、三次感染といった形で爆発的に国内感染者が増加することが心配されはじめています。


14日時点では11都道府県で感染者が発見されており、この数は今後どんどん増加することになりそうです。

現状では感染源はそれぞれ特定できておらず、感染経路も不明なら潜伏日数も不明、適切な治療方法も発見されていなということで国内でのパニック状態が心配されています。

こうなると中国の経済的影響を気にするよりも、国内固有の問題として経済と景気に大きな影を差すことになりそうで、相場の推移が非常に気になるところとなってきています。

全体的にドル高傾向が続く為替相場

直近の相場ではドルがあらゆる通貨に対して非常に強い状況になっており、世界的に見回しても金利がついているドルへの根強い需要があるとともに、米国の株式市場への資金の集中がドル高を維持する形になっているものと思われます。

ドル円1時間推移

ドル円も新型肺炎の報道が出るたびにそれを嫌気して円高方向には動くものの以外に底堅い状況が続いており、テクニカル的にだけみれば再度上方向を試しかねないところにあります。

ただ110.300円から上はかなりの売り玉が並びはじめているようで、これを抜けても110.500円から上に簡単に上昇していくのは難しい状況が継続するものと思われます。

ユーロドル1時間推移

ユーロドルもドル高が継続中で、その勢いはかなり強くなっています。

新型肺炎の問題が出るたびにこちらはドルが買われる動きになっていますから、さらにこの地合いが週明け相場でも継続する可能性は考慮しておく必要があります。

心理的な節目となる1.08はすでに目と鼻の先にあり、これを試しに行く可能性はかなり高そうな状況です。

問題は日本発での新型肝炎の爆発的拡大

これまでコロナウイルス起因の新型肺炎は中国本土で爆発的感染が進み、その一部が海外でも発症するといった形で見られてきました。

すでに日本に関しては訪日中国人からの感染のレベルを超えて人から人への感染の段階に入っていることから、都市部を中心にこれから大量な感染者が一気に現れてくる危険性が高まりそうです。

これまで新型肺炎の経済的ダメージについては2003年のSARSの時の事例をベースにした予測が中心でしたが、日本が完全に感染国として罹患者を増やしていった場合、自立的に物流も人が絡む生産、販売プロセスについてもサプライチェーンもずたずたに寸断される可能性が高まります。

ここから1か月または2か月はほとんど国内独自の生産、販売体制が完全にストップ、崩壊する危険性が現実のものになりそうで、どこまで深刻なものになるかは発症者の数次第の状況のようです。

実際問題、直近で自ら新型肺炎に発症したのではないかと医療機関を訪れてもチェックする体制が全く整っていないため、こうしている間にも猛烈に感染者を増やす可能性があり、東日本大震災直後のすべての物流が止まり人が移動できなくなった状態をさらに悪化させた形でそれが長期にわたり継続するリスクは高くなりそうな気配です。

これが現実のものになった場合、東日本大震災後日経平均は3割下落、ドル円も75台を瞬間的につけていますから少なくともドル円は足元のレベルから100円を目指す危険性は高そうで、今後の国内の感染状況と相場の反応には注意を払う必要がありそうです。

逆に取り越し苦労に終われば結構なことですが、現実のものになろうとしている点は非常に恐ろしいものがあります。