米株はFRBが想定外の利下げに踏み切ってからも日々乱高下を繰り返しており、連日1000ドル規模の上昇と下落で投げと踏みの応酬となっています。
その値幅はものすごいものがあり、バブル相場の末期に訪れる荒い値動きの展開を彷彿とさせるものがあります。
そんな中でいわゆるアナログチャート分析を足もとのNYダウにおこなってみると、実は1929年の大恐慌で大きく暴落した相場にチャート自体の形が非常に似ているといった見方が強まっています。
重なり合わせたチャート形状はかなり似たものに
実際に重ね合わせてみたのが上のチャートになります。
このアナログチャートモデルは1980年代、チューダーファンドの副社長だったピーター・ボリッシュが考案し、1987年のブラックマンデーをずばり当てたことで脚光を浴びたパターン分析となっています。
30年以上経っても米国ではこの分析手法は、相場は一定のパターンを繰り返すという相場のフラクタル構造や相似性が非常に重視されており、多くのファンドマネージャーが依然として注目している分析手法となっています。
NYダウの相場の動きが1928年から始まる世界恐慌におけるNYダウの当時の相場の推移にかなり似通っているというのはなんとも不気味ですが、最近はやりのAIでもこうしたチャート分析は積極的におこなわれており、決して甘くみてはいられないものになりつつあります。
パンデミック相場はだれにも経験のないもの
相場の先行きに関してはさまざまな予測も出ていますが、正直なところ人類史上では経験のあるパンデミック相場でも近代の金融市場ではだれもその経験を持っていないのが現状であり、ここからの予測は難しいものになっているのが実状です。
実際リアルな相場ではAI同士がぶつかり合うような形で相場はかなり乱高下する状況になっています。
それだけにここからどうなるのかは非常に注目すべきものがあります。
当然ファンド勢もこうした分析に余念がないのが現状で、我々個人投資家としても十分にチェックしていきたい手法になります。多くの市場参加者は先行き不安に陥っており、藁をもつかむ気持ちでこうした分析を見守っている方が多そうです。
仮にこのチャートをトレースするような形で現在のNYダウが下落を続けた場合には2万3000ドルを下回るレベルにまで短期的に達する可能性があり、その後はもみあいからトランプ大統領が就任した直後の1万7000円レベルにまで下落する可能性もてでくることになります。
1929年と同じ動きになるとは断じられませんが、似たような動きとなった場合にはこのぐらいの厳しい状況を想定しておく点に注意が必要です。
暴落相場というのはなんとも気が滅入りますし、なにより上下動の激しさの中のトレードでは決して儲からないことが多くなります。
このチャート分析を見ながら将来的な動きをイメージしておくことが重要になりそうな三月相場です。