いよいよ4月相場入りとなりますが、新型コロナによる感染者被害はその猛威をまったく止められない状況であり、各国が金融政策や財政政策を発表して相場が戻しても、その一方で感染者数が増えれば確実に上昇を打ち消すような下落の動きとなっており、特に米国が中国を超える感染者を出してしまったことは相場に影響を与えることとなっているようです。

Data https://gisanddata.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/bda7594740fd40299423467b48e9ecf6

この1か月で大きな番狂わせとなったのはイタリアでの発症者ならびに死亡者数の劇的増加であり、3月初頭にはほとんど関心がなかったはずの米国市場でも劇的に感染者が増加中であり、その注目点は感染者数から死亡者数へ移行しようとしている状況です。

FRBは過去に行ったことがないレベルの緩和策を発表しており、法改正をさらにすすめることで日銀が行っているようなETFの購入や個別株式、社債購入など不良債権化するであろうジャンク債の領域での買い支えをすすめようとしていますが、果たしてそうした政策がこの新型コロナの感染とどう相殺されることになるのかが非常に注目される時間帯になりつつあります。

相場では一旦の株価下落には歯止めがかかっているかのように見えますが、実際の相場は不安定でボラティリティの大きな状態もまったく解消されず相変わらず不安は残る状況です。

国内では志村ショックが決定打

Photo 東京中日スポーツ https://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/entertainment/news/CK2020032902100048.html

一方、国内では30日の朝10時すぎに突然発表されたタレントの志村けんさんの新型肺炎感染による死亡のニュースが想像以上の影響を市場に与えたようで、一時的に日経平均は800円を超える下落となり、新型肺炎が短時間の発症で死亡に至るという現実味が国内に広がることで、スーパーなどでのパニック買い等もさらに進むという状況になりそうです。

これまで感染するとどうなるのかという問題は明確にイメージできなかったですが、志村さんの感染から亡くなるまでの時間的経過が詳らかになったことで、相場のみならずリアルな生活でのリスクを感じる人たちが爆発的に増加したことが窺われます。

日本政府は簡単には行わないと否定していますが、ここからは東京をはじめとする首都圏の封鎖が実施されるのかどうかに関心が集まりつつあり、もし実施となれば株式市場を含めて金融市場は想像を超える売りがでて、相場が国内の材料起因で大暴落に陥るような時間帯に突入しようとしていることがわかります。

株価の下落、米国における想像を絶する緩和措置の進行はドル安も引き出すことになりますから、為替ではドル円が再度円高方向に大きく引き戻される可能性は高くなりそうです。

すでに金融市場はこれまでに経験したことのない領域に踏み込み始めていますから、あらかじめ予想していたのと違う動きがリアルな相場になってもまったくおかしくはない状況で、相場の方向感を断定しすぎるのは失敗のもとになりかねません。

実際の動きをしっかり掌握してどう対処するかを考える冷静さが求められる時間が続きそうです。

市場の閉鎖というまさかの事態も想定すべき

CFDなどの一部の市場ではつねにささやかれてきたことですが、ここからウイルスの問題が悪化して市場自体が閉鎖するなどという恐るべき状況になることも十分に考えておく必要がありそうです。

この場合、作成したポジションがどうなるのかが最大の関心事になりますが、証拠金取引の場合には一定以上の損失リスクが常に付きまとうことになり、海外FXのようにゼロカットシステムが実装されていない業者での相対取引については、相当なリスクがあることだけは十分に理解しておく必要がありそうです。