3月最終日と4月初めの週となった先週の相場は、ドル円が一旦大きく下げる展開となりました。

金曜日の雇用統計で悪い数字が出たにも関わらず、殆ど下げずに108円台で週の取引を終了するというわかりにくい展開となりました。

相場ウイークリー・ドル高と円高の綱引きなるも週明けは再度ドル安に注意
ドル円1時間足先週の推移

3月末の本邦は年度末のリバランスの関係もあり、ドル円は108.726円レベルまで上昇しましたが、London Fixではもはや上昇は見られず米国の新規失業保険申請件数などが大きく増加したことなどもあり、107円を割れるレベルまで下押しして4月新年度を迎える展開となりました。

しかしその後107円を瞬間的に割れる動きにはなったもののさらに走ることはなく、トランプ大統領の原油減産ツイートが強い支えになり、またしても108円方向に動く展開となり、かなり溜まったと思われるショートが一斉に切らされる動きとなってしまいました。

その後もレベル感からのショートは悉く切らされることになり、3日の雇用統計発表前にはとうとう108.500円に到達する動きとなりました。

同日の21時半に発表となった雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月から70万1000人減と前月の27万5000人増(改定値)からマイナスに転じ、市場予想の10万人減をはるかに下回る動きとなりました。

本来ならばこの結果を受けてドル円も大きく下落するのではないかと期待されたわけですが、実態には108.200円すら割れないまま逆にじり高推移となり、投機筋が主体となる相場の動きの難しさを垣間見る状況となってしまいました。

一つにはドル円でショートが非常に溜まったことが大きな原因ですが、それだけでなく市場はドル高で円高という動きが顕在化し、ドルと円が綱引きをするような状況になってドル円を逆に押し上げる結果となってしまったようです。

ユーロドルでは引き続きドルが強さを発揮

相場ウイークリー・ドル高と円高の綱引きなるも週明けは再度ドル安に注意
ユーロドル1時間足推移

一方ユーロドルはここへ来て、再度ドル高傾向が続き対ドルでは1.08を下回るような強さを発揮しています。

南欧のスペインやイタリアでは依然として新型コロナの感染者や死亡者が増加中で、イタリアに関しては一旦ピークを過ぎたのではないかといった明るい見通しがでてきてはいるものの完全に収束とならないことから、米国との状況の相対的な判断で相場も上下動を繰り返すような時間帯に入ってきていることがわかります。

ユーロドルに関しては米国での感染者、死亡者が爆発的状況にならない限りどうしてもドル高傾向が続きそうな気配が強まっています。

週明け相場は依然ドルと円の綱引き状態か

新型コロナウイルスの問題がまったく一息ついていないことから、週明けもこのテーマを巡って悪い報道がでれば相場も上下に影響を受けるという微妙な展開が続きそうです。

ドル高で円高ですがクロス円の円高もかなり進んでいるだけに、ドル円もこれに引きづられることになれば再度円高方向に動くことが予想されます。

ファンダメンタルズ的に言えば、FRBは過去最高の金融緩和を行っている上に3月中から莫大なドル資金を市場に流入し各国の中銀もこのドル流入政策に同調していますから、本来はどこかでドル安が明確になり円やスイスフランといったクオリティの高い通貨へと資金が再流入する状況になることが予想されます。

ただ、今のところ株の下落局面では相変わらずマージンコールによるドル需要などもでるため、当面ドル高状況も継続する可能性が残っています。

4月相場は国内では、機関投資家が予算決めや人事異動などをともなってなかなか動かない特別な月となっているうえ、新型コロナ禍の問題もありますから、市場には投機筋しか登場しない時間帯となっています。

しかしこの投機筋は買ったものは必ず売りますし、売ったものは必ず買い戻すことになりますから、週明けの相場も一方向にだけは動かない幅の広いレンジ相場を形成することに注意した取引が必要になりそうです。

また相場の不透明感が高まっていることから、市場参加者も減少していることは顕著でそれが故のボラティリティの高さも感じられる状況となっています。

本邦でのウイルス感染拡大状況も気になるところ

国内では検査をしていないことに起因して主要国に比べますと依然としてあまりにも新型コロナの感染者数が少ない状況です。

米国の日本大使館は状況がはっきりしないため国内にいる米国人に帰国を促すようになっており、実際の感染者数が詳らかになった場合他国を超える数がいきなり増加してパニックになる危険性も十分に考えられる状況にさしかかっています。

日本政府も東京都も緊急事態宣言は依然として出してはいませんが、事実が明らかになった場合日本株はさらに暴落し、ドル円にも多大な影響がでかねないだけに新型コロナの国内感染状況には引き続き最大限の注意が必要になりそうです。