11月19日の市場は欧州時間にオーストリアが完全なロックダウンを再実施との報道が伝わり、隣接するドイツも同様の措置をとる可能性が指摘されました。

それにより欧州全体が再度新型コロナ禍の広域的封鎖措置の実施リスクが高まったことから、ユーロを中心に大幅な下落となりクロス円もそれに追随。

ドルストレートでは当初ドル高も見られましたが、肝心のドル円は114.500円レベルをつけた直後に暴落がはじまり、NYタイムの入り鼻の同日午後9時45分ごろには113.600円を下抜けるところまで売りが加速することとなりました。

2020年3月にコロナ起因で大暴落となった相場から考えるとドル円は比較的すぐにドル需要から値を戻すかと思われましたが、114円に戻ったのはNY市場最後の辺りなので、どうも不可解な動きとなってしまいました。

株も為替もここ1年半あまりコロナにはほとんど影響を受けずに推移してきただけに、オーストリアの件だけでここまで影響が出るのはかなり意外で、アルゴリズムの初期反応故の動きだったのかもしれませんが、またコロナを材料にした下落相場に注意しなくてはならない状況に陥ったことがわかります。

オーストリアは変異種に対するワクチン接種効果を判断する実験場に

Photo TBS

オーストリア政府は全土のロックダウン再開とともに全国民がワクチン接種することを義務付けていますが、このワクチン接種100%を完了しても変異種の感染が収まらなかった場合には、足もとで世界の主要国が進めているワクチンの接種義務と接種パスポートの発行を前提とした経済再開政策が完全に破綻をきたす可能性が極めて高く、ワクチンの接種が変異種の感染に全く意味がないことが判明したら相場がどう動くことになるのかが非常に危惧されるところです。

同様の問題は更に広い国土と人口を有するドイツにも言えることで、最近ではワクチン接種さえしていれば大きなリスクが防げると信じてきた各国のコロナ対策に大きな変化がもたらさられる可能性がでてきています。

このような状況になった場合過去1年半以上もコロナを無視してきた株式市場や為替市場にどのような変化がもたらされることになるのかが非常に気になります。

もともと新型コロナウイルスは北半球では冬の年末に拡大されると言われてきましたが、まさにそのシーズンに差し掛かっている中でほとんどの市場が甘く見ていた感染拡大が現実のものになってきていることから目が離せません。

ドル円はこの混乱に乗じて別の仕掛け売買が入っているのでは?

今回の19日夕刻からの為替相場下落では、ユーロドルの下落に合わせてクロス円のほとんどが同じようなチャートの波形で下落を始めていることが以下のチャートで分かります。

またドルストレートもほとんどの通貨ペアがユーロドルと同じような形で動いていますが、なぜかドル円だけはドル高にならずに下落し、クロス円よりもかなり早いペースで113.600円割れをつける展開となりました。

NYタイム終盤には結局114円台まで戻す動きにはなりましたが、その時間のかかり方は他のドルストレートの動きとは全く別もので、きっかけは同じだと思われますがこの下落を利用してドル円だけ大きく下押しをはかろうとした向きがいるのではという考えもある相場となりました。

Data みんかぶ

2020年3月の相場でも一旦下落したドル円は驚くほどのスピードでドル高を回復しており、リスクオフ相場のドル需要から言えば安全資産の円に逃げると言う説明には少し無理が感じられます。

ドル円の115円には驚くほど巨額のノックアウトオプションが仕込まれており、正確にはどれくらいで、いつのNYカットで消滅するかは全く不明ですが、この防戦売りの一環として大きく下げのトレードを食らったと見るとかなり納得のいく状況と言えます。

この115円のノックアウトオプションを期日まで守り抜けば保有者は相当な金額を獲得できるはずで、そのためには当分理不尽な売り仕掛けをしてくることに覚悟した方がいいでしょう。

恐らくこのオプションが消滅すると上方向に上昇することも期待でき、ここからの動きを注視していくべき時間帯といえます。

年末に近づいて相場は分かりにくい動きを継続中ですが、シーズナルサイクルに忠実な通貨ペアもでてきていますのでしっかり見極めていくことが重要になりそうです。