9月第二週の為替相場はどの通貨ペアも大きく動くことはありませんでしたが、レンジの中で難しい動きをするものが多く、取引としては決して楽なものにはならない一週間でした。

週明けは月末に米国9月のFOMCを控えてブラックアウト期間に突入することからFRB関係者の発言は一切出てこなくなりレンジ状態がさらに継続しそうな状況です。

したがって方向感をあらかじめ断定してかかるのではなく、相場の状況をみてトレードしていく冷静な観察力を要求される一週間になりそうです。

ドル円は依然109円と111円を挟んだレンジの展開の可能性

国内では自民党の総裁選がいよいよ本格化する中で、海外勢が日本株を買い上げる動きが顕在化しており、日経平均、TOPIXともに上昇局面に入ってきていますが、それとは裏腹にドル円はこの動きに連動する上昇を見せておらず、2013年のアベノミクススタート時に株と同時にヘッジでドル円が買い上げられた時と異なる動きを継続中です。

また海外勢もとにかく日本株を買いに向かっているのではなく、これまで売りを積み上げてきた向きが買戻しをしたのに加え、パッシブファンドが相場の上昇を見て機械的に日本株を組み入れる動きをしていることが足もとの価格上昇に繋がっており、ここからさらに日経平均が上昇するためにはよほどファンド勢が資金を投入する必要があると思われ、それが現実のものにならない限りはドル円がヘッジで追いかけた上昇は見込めないといった見方も広がっています。

したがって週明けからの相場は依然として先週と同じようなレンジの上下に終始する可能性があり、明確に上か下かを抜けるのはFOMCを通過してからになりそうです。

先週は東京タイムでドル円はたった7銭程度の動きになってしまいましたが、メインの取引タイムはロンドンタイムからNYタイムのスタート時間なので、それまでは相場の動きをよく見てポジションの傾きなどが過度に起こっていないかどうかのチェックも重要です。

4時間足のチャートを見ると典型的なレンジ相場であり、上下で丹念に逆張りすることで利益が取れそうな状況が続きます。

ドル円4時間足推移

ユーロドルはアフガン問題からユーロ買いがさらに出る可能性に注意

ユーロドルはECB理事会でPEPPの一時的な購入減額が決定したことから一瞬買いあがる動きを見せましたが、その後の会見でラガルド総裁がこれはテーパリングではないと強調したことからユーロは広く売られる展開となり、市場が求めていたユーロの上昇は結局失敗となりました。

一週間を通して見ると1.19をピークに微妙に下落する動きを続けています。

ただアフガニスタン問題から中東原油国は継続してドルからユーロにシフトしたことが指摘され始めていて、実需ベースでユーロがドルに対して買われる動きがここから延々と続く可能性もあり、週明けさらに上値を試すことになるのかどうかに注目が集まります。

こちらも週明け相場の動きがどうなるのかを見極めたところでエントリーしていく注意深さが必要になりそうです。

すでに欧米勢は夏休みを終えてすべての市場参加者が相場に返り咲いていますが、いまひとつ相場に活気がないのは気になるところです。

ユーロドル4時間足推移

米株は引き続きじり高を続けてきましたが、7ヶ月連続で押し目を作らない相場というのは過去を見てもかなりレアで、9月末に向けて押し目をつくる可能性も否定はできず、日本の半期末も控えて何らかの押し目相場になることも一応は頭の片隅に置いておきたいところです。

明確な方向性が出るのは10月に入ってからとなる可能性もあり、この時期は相場の先行きを断定することなく柔軟にトレードできるような感覚をもっていくことが重要です。

ドル円一つとってみても相場のあてが外れるような動きが多く、小動き相場なのに損切で原資を減らさざるを得ないといった状況に追い込まれているトレーダーが多く見られています。

今は確実に儲けが取れると確信できるタイミングを絞って売買することがお勧めの時期です。