7月第四週、ドル円は前々週の下値トライから上値の重い展開となり110円に戻すのが大変な動きとなりました。

ただ週後半からはドルが大きく買い戻され、多くの通貨ペアでドル高になり始めています。

日本時間の29日午前3時に発表される7月のFOMCの政策結果が、週明けの為替相場に大きな影響を及ぼすと思われます。

また一部の観測報道としてテーパリングの議論が始まるのではないかと言った見方も強まっていることから、それを利用して投機筋が発表直前まで買上げ、結果を受けて売り飛ばすといういつもの投資行動を行う可能性が強く、FOMC以降でもドル高が継続するのか非常に注目です。

ドル円は三尊天井をつけたかに見えたが大きく戻す状況

ドル円日足推移

ドル円は前々週に一時109円ギリギリのレベルまで下落したことから久しぶりに三尊天井が現れたように見えました。

しかし残念ながら先週大きく戻りを試す形となったことから、再度三尊天井が現れるかどうか気になるところです。

テクニカル的にはさらに上値を狙っていきそうですが、実際の相場は売り上がっていった投資家の損切りが相場を上昇させた印象もあり、111円台にまで回復するような買いが出るのかどうか関心が高まっています。

FOMCを経て相場がまた戻るようなことがあれば、引き続き三尊天井が継続する可能性もあります。

ここ最近はFOMCが近づくたびにテーパリング実施の噂や持論のスタート観測が話題になっていますが、パウエル議長は一貫してそれを否定しており、バイデン政権はここから国債発行による資金調達を進めなければいけません。

なのでその矢先に金利を上昇させるような動きを露わにする可能性は低く、またFOMC直後にドル円が売られるリスクを考えておいた方が良さそうです。

7月後半に入ってから市場は参加者が減り動きも薄い状態で、短期の投機筋がやりたい放題の相場になりかけています。

実際こうしたトリッキーな動きをするのはアルゴリズムであったり、AI主導の裁量取引だと思われますが、ここへ来て一段と投げ踏みの応酬相場のような状態が延々と続いているのは少しやりにくさを感じます。

クロス円に下落トレンドが明確に発生するかどうかにも注目

幅広い通貨ペアの中でも気になるのがクロス円全般の動きです。

ユーロ円、豪ドル円などはほぼ日足で同じような形を示しており、足もとでは短い時間足で買戻しが出ていますが、日足ベースではついにこの夏明確な下落トレンドが出る可能性が高いと思われます。

元々豪ドルは8月に非常に弱含みするのがアノマリーですが、すでに今年はその流れが出始めており、こちらもFOMCを経てどのような動きになるのか注目が集まりそうです。

ユーロ円日足
豪ドル円日足

どの通貨ペアにも言えることですが、実需筋、機関投資家などが夏休みで相場に出てこない状況下では、相場を動かしているのは投機筋なので明白なトレンドなどが出にくい時期に突入します。

ですので動きに騙しが多くなり、今週末のFOMCでドル買いの支援材料が特に無ければ逆戻りとなる危険性があることをしっかり意識して取り組んだ方がいいでしょう。

来週からは8月に入り、さらに場の取引が薄くなります。

ボラティリティが低下した中で一方向に大きく相場を動かす材料が登場すると、想定を超えたオーバーシュート気味の展開が起きることは充分にあり得るので、引き続き注意深いトレードを心がけましょう。