想像以上に激しい上下動を伴った1月の為替相場もいよいよ終盤の1週間となります。
今週最大のポイントはやはり27日の午前4時に発表されるFOMCの結果発表とその後のパウエル議長の発言になりそうですが、本来金利が上昇するならドル高になりそうなところ、リアルな相場はドル高になっていないところに非常に大きな難しさが潜む状況となっています。
12月段階では平静を装っていた米株はここへきて急激に巻き戻しが進んでいて、すでに6営業日連続で下落となってNYダウは累積で2000ドルの下げ、S&P500も9%以上下落しており、テーパータントラムなのか利上げを急がないようにという催促相場なのかわかりませんが調整の下げを示現しはじめています。
1月のFOMC以降は3月のFOMCで実際に利上げするのかに注目が集まりますが、今回のFOMCではどこまで現実になるのかをパウエル議長の発言から探る動きになるものと思われ、それ次第で株も為替もさらに動くことが予想されます。
ドルストレートは全般的に弱含みという不思議な状況
今年FRBは少なくとも4回の利上げを行うであろうことはすでに市場も織り込み始めていますが、年初にドル円が116円台に吹き上がって以降ドルはユーロに対してもポンドに対しても弱含むようになりました。
足もとではドル円も113円台に下落して定着しさらに下値を模索しそうな雰囲気になってきているので、下方向に押し込まれて1月相場を終える可能性も考えて取引していきたいところです。
例年シーズナルサイクルとしては1月弱含むのがドル円の特徴でもあるので今の下げはそれほど驚くものではありませんが、この時間帯ではレベル感から買い向かうようなことは極力避けた方がいいでしょう。
ドル円は112円割れると眺めは大きく変わる
国内個人投資家の中でトレード最も多く取引されているドル円は年初からロングの投げとショートの踏みを日替わりで繰り返すような相場になっており、スキャルピングのような短時間取引をする投資家以外は損失を食らうという非常に難しい相場の1か月となりました。
そして足もとではまた下方向に下落する可能性が高まりつつあり、基本は戻り売りがワークしそうな状況になってきています。
週足のチャートで見ると上下にチャネルラインが引けてその中で上昇推移をしてきたことがわかりますが、これで次の下落で112円を割り込み始めると一旦上昇トレンドは完全に終了する可能性もあり注意が必要です。
ただ2月に入ると3月末に向けてドル円は上昇するサイクルに入るので休みなく下げるとも考えられず、112円を下抜けて大きな下落になると考えるのもかなり危険です。
米金利はここから確実に上昇しそうなのにドルが主要通貨で下落に転じている状況については多くの市場参加者が理解に苦しんでいると思われますが、ファンドの資産アロケーションが変われば米国から資金が回避することも十分にあり得るので、理解不能な状態はさらに相場の上下動を加速させそうです。
まずは今週FOMCを通過してドル円が上に戻るのかさらに下押しするのかをしっかり確認したところからトレードしても遅くはなさそうです。
ユーロドルも想定以上には売込まれない相場状況が続く
ファンダメンタルズ的に見ると金利も据え置き、インフレは一過性ということで緩和措置も継続とECBがアナウンスするユーロはドルに対してとりたてて買い向かうような通貨ではないはずですが、こちらも下落は限定的で手出しがしにくい状況が続きます。
2月にかけては方向感のはっきりしない時間帯が続きそうですが、3月はシーズナル的にユーロが上昇しやすくなるので、それまではあまり方向感を断定せずに短期取引で利益を確保していくことが重要になりそうです。
為替は各国金利差で売買が行われるのが基本ですが、リアルな相場は経済論理がワークせずに投機筋と実需が入り混じって相場を構成している関係なので、まったく想定外の動きを示現させることもあることはあらかじめ認識しておきましょう。
市場参加者のほとんどは疑心暗鬼になりかかっている相場なので、決め打ちすることなく柔軟に取引できる姿勢を維持することが重要な1週間になりそうです。