週明けの相場は週央から2月に突入することとなります。

一週間の中で注目なのは日本時間2月2日午前4時に発表されるFOMCの政策決定と、その日の夜開催されるECB理事会でどちらも利上げの幅に関心が集まります。
FOMCに関してはほぼ0.25%の利上げを市場は完全に織り込んでいますが、景気後退がかなり差し迫ってきていることからどこで利上げが打ち止めになるかが市場における最大の関心ポイントになってきています。
気の早いアナリストは2月で一旦打ちどめで様子見に移行し、早ければ6月を待たずに逆に利下げに転じるのではないかといった予測までしはじめており、利上げがいつ一旦終了となるのか次第で相場は上にも下にも行きそうな状況になりつつあります。

過去にも一旦利上げが止まった段階で米株が大きく戻すという局面に突入したことがあるため、ウォール街はそれに多大な期待を寄せているようですが、そんなに上手くいくのかが大きな注目点となりそうです。
リセッションを気にして逆に利下げがすぐに行われるような状況になれば株価は失速し本格的な下落相場が示現するリスクも高まるだけに、ここ数か月のFRBの政策意向は非常に重要なものになりそうです。

一方ECB理事会のほうは先週までに高官からかなりタカ派発言が相次ぎ、今会議で50ベーシスポイントの利上げが確実視されている上に3月会合でも引き続き利上げの可能性がかなり高くなっていることから、対ドルでユーロがさらに上昇することも視野に入れたトレードをしていく必要がありそうです。
ユーロとドルの強弱感はこの二つの中央銀行の政策決定会合次第の状況で、2月2日は早朝から夜遅くまで非常に気の抜けない1日となることが予想されます。

ドル円は利上げ打ち止め示唆なら下落方向に

ドル円は先週一週間については日銀の政策決定会合を通過して完全に材料を欠いた形となり、方向感のない時間を過ごすことになりました。
下値は127円を抜けることがなく逆に上値は131円を完全に飛びぬけるといったこともないレンジ相場に終始し、日足でみると動きがないように見えましたが、実は連日行って来いのような上下動を繰り返して2月2日のFOMCの結果発表を待っているような相場となりました。
日銀会合でもっと相場は荒れることが予想されましたが、米債金利が低下している上に日本国債の金利も一息ついていることから投機筋が攻めるタイミングを逸しているようで意外に落ち着いた相場になっており、それがドル円の方向感を失わせているようです。

ドル円先週一週間の動き Data Tradingview

すでに次回FOMCでの利上げは完全に織り込まれていますから市場予想どおりに利上げが発表されてもドル円が大きく上昇することはないものと思われます。
ただ逆に利上げの打ち止め、今後の様子見といったことをパウエル議長が口にすれば一転して売られることになりそうで再度127円割れを試すことも考えられます。

米国の経済指標の内容からはかなりリセッションが近づいていることがわかるだけにFRBもそれを意識するような発言になればドル円や完全なドル安展開へとシフトする可能性を考えたいところとなっています。

ユーロはECBの決定内容次第で一段上方向も

ユーロドル先週一週間の動き Data Tradingview

一方ECB理事会はいよいよ利上げ継続の意向が強くなってきており、これが現実のものになるのであれば一時的にせよユーロは対ドルでかなり買い戻されることを想定しておくべき状況です。
絶望的な厳冬に見舞われることが予想されていたものの実際はそれほど厳しくはなく、ガスの供給もなんとか維持できていることから欧州経済は市場が悲観していたほど酷い状況にはなっておらず、それとECBの利上げがユーロを支える材料になっていることが判ります。

昨年ユーロは相当売られたことからここからはある程度の買戻しがでても決しておかしくない状況で、市場参加者もそれに期待していることが窺われるところとなっています。
ただ、欧州圏は米国以上にインフレが進んでいる国が多く、景気も市場予測よりはまし程度の話なので上昇の上限も限られそうで、過剰な期待は禁物です。
対ドルで1.1を超え始めた場合どこまで戻りを試すことができるかに注目が集まります。

1月相場は想像以上に難しく、とくに行って来いのような上下動が頻発したことからエントリーした市場参加者は個人からプロに至るまで結構損失を食らってしまったようで、ようやくここへきてその傷んだ市場にも回復感が見られ始めているところです。
2月の相場も決して順風満帆とはいかない可能性が高くなっているので、迂闊にレベル感だけで売買を行わない慎重さが求められそうな一週間です。