4月第二週の為替相場はイースター休暇を挟んだ時間に入り週初は比較的大人しい展開になるかにみえましたが、米国の月次CPIやPPIの発表を受けてドルが大きく売られる展開となったものの、週末にFRB高官がインフレが収まっておらず利上げ継続が妥当といった発言や、ミシガン大学消費者信頼感指数で期待インフレ率が一段と高まったことを受けてドルが急伸することとなり、週の中盤までのセンチメントを一気にひっくりかえすような動きを示現する結果となりました。
市場はかなり広範囲に、米国の利上げが早ければ5月FOMCで停止となり7月からは逆に利下げを期待するという前のめりな期待を形成していますが、完全にそれに冷や水をかけるような動きとなっており、当面FRBの利上げ観測次第で相場が上下動を繰り返す時間が続きそうな状況となってきています。

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テクニカル的に見れば132円割れ近くまで下落したドル円はさらに下値を目指す展開にみえましたが、指標発表で完全にそれをひっくり返す展開となりそれなりにやられた市場参加者も多かったことが予想されます。
5月のFOMCまでは延々とこうした指標次第の相場が続きそうでかなりやりにくいものになりそうです。

FOMCまではまだ二週間以上も時間があるので、この手の投げと踏みの応酬相場になってしまうと順張りで長くポジションを持つといった雰囲気ではなく短時間売買に徹することも必要になりそうで、指値をおいてトレードするのにも向かない時間帯であることからそれなりに工夫した売買が重要です。

むしろこの時期はユーロドルに注目するほうがよさそうな状況に

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一方ユーロドルは久々に堅調な上昇推移を見せ始めており、週末はドルの買戻しで下落が進んだもののジグザグしすぎるドル円よりはましなトレードができるような状況になってきています。
もちろん相変わらずドル次第の状況は続きますがドルインデックスで見ると明らかにドルが弱含み始めているため、ユーロドルを売っていくということを主軸に考えたトレードをしてみるのも一考です。

週明けはドイツ4月ZEW景況感調査や、ユーロ圏4月消費者信頼感指数、ユーロ圏4月製造業・サービス業PMI速報値、ECB理事会議事要旨などが発表されるので経済指標が市場予想を上回る場合や、ECB当局者よりタカ派的な発言が相次ぐ場合、ユーロは一段高の展開も期待できるでしょう。

ドルインデックス1か月の動き Data Tradingview

日頃トレードし慣れない通貨ペアを相場状況に合わせて切り替えて売買していくというのは難しいですが、日頃からいくつかの通貨ペアをしっかりチェックしていつでも切り替えたトレードが行えるようにしておくというのも為替では重要な手段になることは覚えておいて損はありません。
ドル円とユーロドルについてはいつでもトレードできるような知見を持っていることがおすすめです。

市場は完全にFRBの利上げを織り込み利下げすら織り込もうとしている

先週金曜日の指標結果とFRB要人発言を受けて市場は5月のFOMCでの25ベーシスポイントの利上げは完全に織り込んだ形になっていますが、その先は相変わらず利下げに対する期待が相当高く下手をすれば催促相場になりかねない状況で、株も為替も債券もこの先行き見通しに大きく影響を受ける時間が継続することが見込まれるところとなっています。
本来為替では明確なトレンドがでるのは年に2回程度、しかも3か月継続すれば上等と言われており、それ以外の時間帯はいかにレンジ相場に付き合ってトレードしながら利益を確保していくかが大きなテーマとなりますが、今年の為替相場はとくにこうしたレンジ相場が続くことを覚悟する必要がありそうです。

日々継続してトレードをしていると常に昨日の延長線上でものを考えがちですが、指標に大きな影響を受けながら動くレンジ相場の場合いきなり流れが変わることは日常茶飯事なので相場の先行きを断定することなく、実際のプライスアクションから売買することができる自在性が求められるところとなってきています。
そういう意味では昨年の為替よりはるかに難しいのが足元の相場です。