この秋口から米国初となるビットコイン現物投資型ETFがついに承認されるのではないかという強い期待感から、ここ最近ビットコインがドルベースでコンスタントに上昇し始めています。

機関投資家からの需要も多いビットコインETFの導入期待により、ビットコインは10月23日に2022年5月以来の高値となる3万5000ドルを付けました。

しかしこれが実現した場合、ビットコインの上昇が持続するのかどうかという点には、大きな疑問も残るところです。

 

ここ1年のBTCUSDの動き

確実に市場の拡大が見込まれるビットコインETFの上場

仮想通貨は投機目的で利用されることが多く、特にFTXが破綻して以降の取引量はそれまでの4割以上も減少したとあり、価格が不安定な投資対象となっていました。

しかし、ビットコインETFが金融規制当局による審査を通過し、公的な認可を受けたとなれば、金融市場においても信用力が向上し、機関投資家からの資金流入も劇的に増加することが期待されます。

資金流入という視点で見ると、ビットコインETFは証券として取引されるため、ビットコインを保有するためのデジタルウォレットが不要となり、これが参入障壁を下げる大きな要因となっています。

11月に入り米連邦高裁がグレイスケールのETFの申請を見直すようSECに命じたとの報道が出回ったことにより、市場ではビットコインETFのローンチが近いのではないかとの期待感が広がりました。

相場はじり高を続けるとともに取引量も大きく増え、すでに4万ドルも視野に入る状況となっています。

FRBの利上げ終了もビットコインには追い風

足元ではFRBの金融政策が今後どうなるかが未だ不透明な状況ですが、過去のケースから見ると利上げが停止となっても、ほぼ11か月程度景気は維持されるため、米株市場の上昇維持も期待できます。

いくら長期で保有しても金利がつかないビットコインは、キャピタルゲインで価格が上昇することこそが最大のメリットとなりますが、金融市場も外部からビットコインの価格上昇に繋がる材料を提供していることがわかります。

キャシー・ウッド氏、ビットコインに強気な姿勢も投資縮小の矛盾

Photo Bloomberg

 

アーク・インベストメントを率いるキャシー・ウッド氏と言えば、色々な意味で話題に事欠かない人物ですが、そのキャシー・ウッド氏がここから先10年のデフレの可能性を視野に入れ、ゴールドや現金よりもビットコインの投資に力を入れる姿勢を示しています。

以前からビットコインは、デフレヘッジやインフレヘッジ機能があることを指摘する声は多かったのですが、金融機関のほとんどが関わっておらずカウンターパーティリスクもないことから、デジタルゴールドとして十分にワークすると言い切っている点に注目が集まっています。

キャシー・ウッド氏は話も上手く理路整然と自らの説を語るため、多くの投資家から注目を集める存在ではありますが、かつては常に市場を上回るリターンを得ることで有名だったアーク・イノベーションETFは、昨年65%を超えるマイナスリターンを付ける結果となっています。

このファンドがテスラやズーム・ビデオ・コミュニケーションズといったテクノロジー株の購入に酔心していたのも業界では有名な話ですが、それが一斉に売り叩かれたことで同社のETFはボロボロの状態に陥ったという訳です。

さらに、市場がビットコインが4万ドルと到達かと色めき立つ中、アーク・インベストメント・マネジメントがビットコイン投資信託のグレースケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)を11月22日に3万6168ユニット売却し、10月23日以降の合計売却数は70万ユニットにも上っています。

ファンド運営の問題であるため、顧客の売却意向を受けやむ負えず利が乗っている商品から売却した可能性もありますが、ビットコイン投資に注力する姿勢を示していたはずのキャシー・ウッド氏のファンドが、足元で積極的に売りさばいている状況は理解し難いものがあります。

4万ドルまでは安定したじり高相場の可能性

今回話題になっている現物投資型ETFは、実際に上昇すると「Sell the Fact」の要因にもなりかねないため、継続的に相場についていくことは必ずしもおすすめできない状況です。

ここから4万ドルまでは、比較的安定したままじり高になることが予想されるため、レバレッジを利用して差益を得ることが得策となりそうです。

もちろん予測不能な相場でストップロスを入れることは必須ですが、海外FX業者を利用すれば、ハイレバレッジで取引することができるほか、まさかの時でもゼロカットシステムが実装されているため、投資資金以上の損失を招くこともありません。

これから年末に向け金融市場ではクリスマスラリー(12月下旬までの上昇相場)が期待されるため、ビットコインもその流れに乗り上昇する可能性が高まりを見せています。