今年秋に行われる米国大統領選に向け、いよいよ春頃から本格的な選挙戦が開始されます。
混沌とする選挙情勢の中、一部のアナリストからは本当に選挙が行うことができるのかという疑問の声も上がっています。
そんな中、JPモルガンのトップストラテジストが、バイデン大統領は健康上の理由により出馬を断念するとの予測を行い注目を集めています。
御年81歳のバイデン大統領には、これまで認知症が疑われる言動があったことから、2期目を全うできるのかという問題が常に付きまとう状況ではありました。
JPモルガンのトップストラテジストによると、具体的には大多数の州が予備選挙と党員集会を行うスーパーチューズデー(3月5日)後に、支持率が急落し体調不良を理由に出馬を断念するのではないかという予測が立てられています。
実のところ、バイデン大統領の支持率は現職でありながら34%程度とかなり低く、民主党内でもこのままでは戦えないと見る向きが増えつつあります。
今後バイデン大統領が出馬断念を余儀なくされた場合、本来ならばカマラ・ハリス副大統領が候補に挙がるところですが、カラマ氏はバイデン大統領以上に評判が芳しくない状況にあります。
女性大統領ということになると、ミシェル・オバマ元大統領夫人が出馬するのではないかとの声もありますが、現状では憶測の域を出ていません。
新たな候補者選びは、移民をめぐる対応やウクライナへの過剰な支援問題で批判が強まる民主党政権のマイナスイメージを払拭できるかがポイントとなりそうです。
トランプ氏は出馬資格をめぐり連邦最高裁へ上告
民主党は、トランプ前大統領の出馬を何としても阻止しようと躍起になっていますが、それとは裏腹にトランプ前大統領は高い支持率を集めてます。
しかしコロラド州では、最高裁がトランプ前大統領について予備選への参加を認めないとの判断を下しており、メーン州でも民主党のベローズ州務長官が同様の決定を行っています。
この判決に対し、トランプ前大統領は連邦最高裁に上告を行っているため、今後どのような判断が下されるかが気になるところです。
トランプ前大統領の予備選出馬が認められないとなれば、金融市場にも大きな影響が及ぶことは避けられない状況です。
トランプ前大統領が出馬し「強い米国」を謳うことがドル高材料に
為替の視点で見ると、仮にトランプ前大統領が予備選に出馬することができた場合、改めて「強い米国」をアピールする可能性があるため、これがドル円上昇の材料となりそうです。
トランプ前大統領が初当選した2016年は、相場が大幅に下落するとの見方が優勢でしたが、結果的に為替も株価も大幅上昇する展開となったため、今回もドル円と株価が高値を目ざす可能性は高まります。
ただし、11月までの相場推移が大きなポイントとなり、FRBの政策次第ではその前に相場が大きく下落する事態に陥る可能性もあるため、十分な警戒が必要です。
ケネディ家の異端児が選挙戦をどう戦うのかもポイント
今回の大統領選挙では、故ジョン・F・ケネディ元大統領の甥に当たるロバート・F・ケネディ・ジュニア氏も無所属での出馬を決めており、それなりの支持を集め始めています。
ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏は、環境保護活動家としても広く知られていますが、反ワクチン活動家としても有名です。
日本ではワクチンの薬害について話をすると、すぐにSNSアカウントを閉鎖されたり、陰謀論と疑われる状況にありますが、新型コロナのワクチン被害が後を絶たない状況の中でケネディ家の異端児がどこまで活躍を見せるのかが注目されます。
いずれにせよ、為替には大統領選の影響が大きく反映されるだけに、ここから先は注意深く情報収集を行っていく必要がありそうです。