6月第四週の先週ドル円はようやく111円超の動きとなり、さらに上昇が期待されましたが、上値での売りは厳しく週内でロンドンタイムとその後の東京タイムに二度111.114円レベルまで上昇する相場となりました。

しかしこのレベルからは強い売りに阻まれるようになっており、週後半はほとんど110円台で時間を過ごすことになり金曜日には110.500円割れをも試す展開となりました。

しかしLondon Fixに向けては連日値を戻す展開となっており、下値になると想像以上に買い向かう向きが市場に存在していることも明らかになってきています。

ドルは先々週のFOMC後すべての通貨に対して上昇したものの一転して先週はドル安が進みクロス円が上昇するという展開になりましたが、ドル円だけはドル安にはならず依然として110円台をキープしています。

ドル円1時間足

チャートから見ますと週後半に向けて上値が一段と重く下値が徐々に下がってきていることから週明けはさらに下値を試しに行く可能性もありますが、日足、週足といった長い時間足でみますとまだ上値もありそうで、月末にむけてどのような動きになるのかが注目されます。

早いもので今週は後半がすでに7月入り、しかも週末は米国雇用統計もありますのでドル円が上値を狙えるのかどうかに注目が集まるところです。

シーズナルサイクルから見ますと7月8月は必ずしも円安にはならない時期ですからさらに上昇を試すのは夏の遅い時期にずれ込むことも考える必要がありそうです。

ユーロドルは引き続き下落方向に注意

ユーロドル4時間足推移

先週の週初ユーロドルは1.1868レベルで寄り付いた後、米欧の金利差からさらにドル買いが進み一時は1.1847レベルの安値を試す展開となりました。

週後半に向けては一定の戻しがでていますが6月中旬の1.214レベルに戻る気配は全くなく、このまま週明けも下落に見舞われる可能性が高まりを見せています。

ECBの戦略構築の支柱であるレーン専務理事からも「ユーロ圏のインフレ率が異常に急騰するようなパラダイムシフトは想定していない」との発言もでており、この発言だけでユーロが売られることはありませんでしたが、FRBとの対比ではECBのほうがむしろテーパリングが遅くなるのではないかといった憶測も高まっているだけにユーロは長期で対ドルで下落していく可能性が高まりつつあるようです。

なにか特別な材料がでたとしても相場の流れを大きく転換するまでには至らないと思われることから戻りが出たら売り向かうというのもひとつの取引きのやり方になりそうです。

ただここからさらに大幅に下落するかどうかはやはり不透明であり1.1850レベルが一つの目途になりそうです。

先週の為替市場ではメキシコ中銀が想定外の利上げに動き相場は大きくメキシコペソが上昇する動きとなりましたが、インフレ局面で伝統的な政策を打ち出してくる中央銀行を抱えた通貨は上昇しやすく、ここからは豪ドル、NZドルなども上昇局面に入る可能性を視野に入れておく必要がありそうです。

そういう意味ではFRBは必ずしも伝統的手法を打ち出してこないことが考えられ中銀の政策コントラストで相場が上下する展開ということも考えておく必要がありそうです。

週明けも基本は米国の10年債利回りの動きが重要になりそうですが、直近では2年債の金利が上昇することに大きな影響を受けているとの見方もあり、常にこの辺りの米債金利の動きを睨みながら取引していくことが求められます。

国内ではこれからリスクの高い東京五輪の開始を控えており、相場がどのような影響を受けるのかに関心が集まりそうですが、世界的には北半球は確実に夏休みに入ることから市場参加者は減ることが予想されます。

それだけに妙にボラティリティの大きな相場に遭遇しないように注意することも必要になりそうです。