9月第三週の先週の金曜日NY市場はSQとなったわけですが、この日は米国市場において株価指数先物、株価指数先物オプション、個別株オプションの3つの取引が同時に清算される日ということで取引量が増加し、波乱が起きやすい、しかも、この日は金曜日と、不吉なイメージがあることからかなり昔から「3人の魔女が出現する日」ということでトリプルウィッチングなどと呼ばれて恐れられてきています。
さらに直近ではストックオプションの取引最終日が重なる日となることからクアドルプル・ウィッチングと呼ばれるようになり、予想通りかなり荒れた相場になりました。
そもそもSQを巡っては様々なファンドが金融工学を駆使して売買してきた先物、現物の清算がでることから為替もその余波を食らって余分な動きがでやすくなり、米国の経済指標が好調であったことからドル高が進み、クロス円は米株の下落に連動するように下落し、金先物も下落となり予なりました。
なにしろ多くの銘柄が儲かった、損をしたとは関係なく事務的かつ自動的に清算されるわけですから相場の最初から最後までかなり乱高下が続くのが常で、今回は米株三指数ともに下落していますので週明けはさらに週明けからも多くの株式が売られることになり、ここから9月末までは注意が必要になります。
今週は23日の日本時間午前3時に発表されるFOMCの結果発表待ちでドルは事前の思惑から買われやすい状況が続きそうですが果たして市場予測通りテーパリングが早期に始まるかどうかが最大の注目ポイントとなってきます。
パウエルは何も決めずにスルーの可能性も
このコラムでも既にご紹介していますが、FRBメンバーであるダラス連銀のカプラン総裁と米ボストン連銀のローゼングレン総裁が私的に株投資を行って爆益を得ていたことが一気に露見し、FRBの政策との利益相反が強く批判されている問題は想像以上に大きなものになっているようで、議長であるパウエルの責任も問われはじめています。
持ち株を全て売却が決まったカプランは自分の持ち株に影響がでなくなったことからかいまごろ早期のテーパリング実施を支持し始めていますが、まさにポジショントークの極みのような話で自らの2022年以降の再任もまだ決まっていないパウエルがここで大きな動きを見せることはできず、結果なにも変更せずスルーされる可能性も高まりつつあるようです。
したがって事前段階で妙に相場がテーパリング実施を織り込み過ぎれば結果、その反動でドルが大きく売られる可能性もあるためかなり注意が必要になりそうです。
ドル円は方向感のない状態を継続中
先週のドル円は日足の三角持ち合いを上抜けしそうになったり逆に下抜けしたりというトリッキーな動きを繰り返しましたが、結局米国の経済指標がよかったことからまた110円台に復帰する動きとなっており、テクニカル的には今週から上方向に動きそうな可能性も漂いはじめています。
したがって木曜のFOMCの結果テーパリング実施が示されれば111円台に吹き上がるでしょうし逆になにもでなければ再度下落になる可能性も意識しておかなくてはなりません。
ドル円はたいした値幅ではありませんが方向感を掴み辛くトレードで損をする個人投資家も多いようです。
いずれにしてもプライスアクションをよく見て方向を確認した取引が求められることになりそうです、
ユーロドルも順当にいけば下落の可能性
ユーロドル相場は9/3に記録した約1ヵ月ぶり高値1.1910レベルからさらに上値をためしそうな気配がありましたが、結果的には強い米国の経済指標を背景に下落に転じており、こちらもFOMCの結果次第ではさらに下落するリスクを考えた取引が必要になりそうです。
ただアフガン問題から中東諸国ではドルからユーロへと換金をシフトする動きもみられており、こうした実需の需給と投機的な動きとの戦い次第では逆にユーロが戻す可能性も考えておかなくてはなりません。
いずれにしても週後半のFOMCの結果次第で相場が大きく変化することはあらかじめ覚悟が必要です。
今週は日銀の政策決定会合も予定されていますが、まったく話題にならないままの状況です。
ただ一部の報道では黒田バズーカの巻き戻しが秘密裡に進めれているとも言われ、次の政権がどうなるかで早期に黒田総裁が退陣するようなことがあれば相場に与える影響もかなり大きくなりそうで、こちらも常にチェックしていくことが必要です。