新年あけましておめでとうございます。
クリスマス明けからはすでに欧米では新年度の相場がスタートしていますが、米株相場はクリスマスラリーをこなし、米債金利も上昇の途上にあることからドル円もなんとか115円台に復帰して年内の取引を終えています。
年明けターボテーパリングの実施と3月末での終了後どのぐらいFRBが利上げを行うのかによって為替はドル高の度合が変わりそうですが、国内の為替のアナリストは総じてドル円が120円を超える方向に進むと予想しており、本当にそう動くことになるのかに注目が集まります。
ちなみに一昨年の12月頃ほとんどのアナリストは2021年に円高になると予想していたので、日頃為替に深く関わっている人間でさえ先行きを予想することが極めて難しいことを強く感じさせられる年明けのはじまりとなりました。
ドル円は年間15円幅の上昇の2021年でこれが継続するかが大きなポイント
2021年のドル円を振り返ると、年初に102円台をつける下落となってからは強い上昇トレンドに見舞われ、一旦大きく上昇してからは夏にかけてレンジ相場でもみ合いを続けたものの、9月以降はまた大きく上昇を継続し11月後半の感謝祭前に115.520円レベルに到達するといった明確な上昇を遂げることとなりました。
その後はオミクロンの問題などで一旦下押しをする場面も見られましたが、年末とうとう115円台に返り咲き、年間では15円幅というここ数年の中では最も値幅の大きい相場を示現することとなりました。
年明けもテーパリングの実施終了後に利上げと想定されるFRBの金融政策と、全く緩和をやめる気配のない日銀の政策のコントラストからドル円はさらに上昇しそうですが、インフレという大きな命題を抱えるなかでの利上げはリーマンショック以降FRBも経験したことがないため、本当に緩和を中止して利上げを実現できるのかどうかに大きな注目が集まっています。
今のところ米株は利上げにネガティブな反応は起こしていませんが、米債金利が大きく上昇し始めた時にはこれまでのように緩和に逆戻りすることもできなくなるため、相場はかなり荒れた状況になることも予想され、年明けが年末からの動きをそのまま継続できるのかどうかが大きなポイントになりそうです。
ドル円は115円レベルから見ると120円が至近距離にあるのは事実ですが、すんなり上昇できるのか、あるいは想定外の材料が飛び出して反転下落に転じるのかどうかに関心が集まります。
5日にはFOMC議事録の発表、そして週末には早くも12月の雇用統計が発表となるので、この辺りを受けての動きも注目していきたいところです。
ユーロドルは昨年5月以降下落して推移
一方市場で最も取引シェアの大きいユーロドルは昨年5月後半から延々と下落を辿っており、一時的に戻すことはあっても直近では中央銀行の政策に明確なコントラストがあることからドル高円安は続いています。
年末は例年ユーロが戻ることが多く昨年末も同様の動きになりましたが、これが年明けさらにドル高へと動くのかどうかが注目ポイントになりそうです。
ただこれもFRBが市場の予想どおり利上げに動くのかどうかで大きく変化しそうで、ドル円とともに全く逆方向に動くシナリオもあることには注意していきたい状況です。
今年の相場はかなり変化要因が多く、年初から一定方向に確実に動くと断定して取引するのは非常に危険です。
まず相場の動きを粒さにチェックして動く方向に柔軟についていくといった発想が身を守ることになるのではないでしょうか。
そういう意味では週明けの一週間は相場の動向を探るために時間を割くことも大切です。
とくに年初はそれまでの相場の動きとは全く異なる動きが示現しやすく株価も低迷しがちな時間帯です。
決め打ちで取引すると手痛いしっぺ返しを食らうこともあるので、日頃以上に注意が必要な一週間です。