12月の主要な中央銀行の政策決定会合イベントを通過し、相場は前倒しでクリスマス休暇に入ろうとしています。
19日からの5日間は日本はお休みではないものの、海外勢でそれなりに利益がでているところはそれをぶらさないように積極的な取引は控える動きとなることから、極めて流動性の低い相場が継続しそうな状況です。
AI実装のアルゴリズムや最後に利益を取り戻したい短期の投機筋以外はほとんど相場に出てこないので、迂闊なところでポジションをとってしまうと身動きができなくなるので十分な注意が必要となります。

欧米の金融機関やファンドなどは1月から12月までが会計年度となっているところが非常に多いため、決算を控えてこの時期はインターバンクのディーラーでも最小限の取引をするところが多くなります。
また手持ちのポジションを手仕舞って新年を迎える動きも出やすくなるので、低流動性の中で思わぬ相場展開になることには厳重に注意する必要があります。
ある意味積極的にトレードすべき週ではないことだけはよく理解して相場に向き合うことが求められる一週間です。

20日は日銀政策決定会合の結果発表

19日、20日に年内最後となる日銀金融政策決定会合が開催され、20日のお昼前後にその結果が発表されることとなります。
市場の大方の予想では退任が来年4月に迫る黒田日銀総裁の期間中は会合で何らかの大きな変化が出る可能性はないとして全く注目されていない状況です。
よほど想定外の発表がない限り為替は無風でクリスマスに突入することになるのではないでしょうか。

むしろ週明けは米国の指標が目白押しで、米11月住宅着工件数や、米12月カンファレンスボード消費者信頼感指数、米11月中古住宅販売件数、米第3四半期GDP確定値、米新規失業保険申請件数、米11月耐久財受注速報値、米11月PCEデフレータ、米11月新築住宅販売件数などの内容でドル円相場が上下する可能性は大いにあると思われます。

ドル円は重要イベントを消化して次なる材料待ちのレンジ相場か

ドル円は先週の米国FOMCを通過してすっかり方向感がなくなりレンジ相場として推移しています。
週末は136円が底堅く、138円から先は流石に材料難ということで週明けも134円から138円辺りを上下動するレンジ相場でクリスマスを迎えることになりそうです。
FOMCの結果を経て米債金利は上昇に転じていますが、11月のように10年債で軽々と4%を超えていくといった動きにはなっておらず、市場がFRBの利上げと並行してリセッションが進むことをかなり気にかけ始めていることが窺われる状況となってきました。

Data Tradingview

具体的に動きがでるのは12月26日以降ということになるでしょう。
クリスマス明けの為替相場は実質的に2023年相場に突入することから、がらりと動きがかわることもありそうなので今週中にとったポジションはできるかぎり週内に手仕舞うことが重要です。

ユーロドルは年末にむけて再上昇するかどうかがポイント

先週のユーロドルは1.0528で寄り付いた後、一旦週間安値1.0506まで下落する動きとなりましたが、ECB理事会において政策金利が予想通り2.50%に引き上げられると共に声明文で一段の金利上昇を見込むとか金利は安定したペースで大幅に上昇する必要性ありといった文言が含まれたことから上昇しました。
しかし週末は手仕舞い売りがでたり、欧州株の下落に合わせての下落で値を崩して週の取引を終えています。

Data Tradingview

12月に関してはユーロドルは月末に向けて上昇しやすい強いシーズナルサイクルとなっているので、今年もそれが示現することを期待したいところですが、明確な動きにならないこともありそうで、クリスマスが近づくところで果たしてどのような動きをするのかが注目されます。

Data EquityClock.com

為替相場のほうは総じて小動きになっていますが、米株はFOMCを通過してさらに下落の道を辿っており、その動きはまたしても2008年のリーマンショック後の相場の動きにシンクロしつつあります。
年末、年始に不測の事態に陥らないことを願いたいばかりですが、今年はサンタクロースラリーが来ることはなさそうな感じがあり、やはり下方向に相場が動くことに細心の注意を払いたい状況です。

今年ワールドカップサッカーで一躍有名になったクロアチアが2023年1月から通貨としてのユーロを使用し始めるので、年末に向けて一定のユーロ買い需要が期待できるところですが、なんらかの事情でドル高が進行するようなことになるとそうしたユーロ買いの動きもかき消されることになるので、あらかじめ断定せずに相場をじっくりみながら判断していくことが重要です。