3月もいよいよ最終週に入り、日本は年度末、海外は第一四半期末を迎えます。

日本は週の後半が企業決算の確定時期となるため、銀行などは取引を控え株式市場においてもそれなりのリバランスが発生することが予想されます。

日本企業のレパトリエーション(本国への資金回帰)も、いよいよラストスパートに入るため、今週の相場は通常とは異なる展開となりそうです。

また、29日の金曜日は米国がグッドフライデーでお休みとなり、欧州もイースター休暇にあたるため、週後半は相場にそれほど大きな動きはないものと思われます。

それらの状況をしっかりと理解した上で、日頃以上に注意深い取引を心がけたいところです。

2年越し3度目の正直でドル円は152円突破なるか

日銀会合ならびに米国FOMCを通過し、ドル円は昨年の11月から実に4か月ぶりとなる151円台後半をつけ、152円到達まであとわずかというレベルにまで迫りました。

投機筋は、今後上値を試しに行く動きに出るものと思われますが、昨年および一昨年ともに152円超えは達成されておらず、ノータッチオプションなども控えているとされるため、まだまだ苦戦を強いられそうな状況です。

仮に152円を超えたとしても、すぐに財務省による介入が入るわけではなく、実弾介入の前に市場を牽制する口先介入が多くなるものと思われます。

そのため、152円を超えた場合は、取引の際に十分な注意が必要です。

 

一週間のドル円の動き

 

ここまでドル円が上昇していると、気になるのが投機筋による上値試しのタイミングですが、月末、期末、年度末という市場参加者の多くが手を出しにくい時間帯だけに、投機筋だけで上値を試してくるとは考えにくい状況です。

また時間帯によっても参加者が変わるため、結局152円を突破することなく失敗に終わることも考えられます。

 

日銀の政策決定会合以降、市場では日銀による利上げ観測報道が増加しています。

まだ先の話であり、あくまで憶測であるにもかかわらず、市場は日銀の動向を意識し過ぎる傾向にあり、ニューヨークタイム入りに50銭程度値を下げる場面が何度もありました。

特に週後半は、このような挑戦的なトレードを行う向きも減ることが考えられるため、突っ込み買いや突っ込み売りをすれば、取り残されてしまうリスクが高まります。

まずは相場状況をしっかりと把握し、冷静な判断を行う必要がありそうです。

四半期末特有のユーロ買いにも注意

ここのところドルばかりが注目されていますが、先週のユーロドルは3月初旬以来久々に安値圏へ転落し、テクニカル的に見ても地合いの悪い展開となりました。

ECBのラガルド総裁が、ユーロ圏首脳会議でインフレ率低下が続くとの見通しを行ったことや、シクルーナ・マルタ中銀総裁が4月の利下げについて言及したことにより、ユーロ売りが優勢となりました。

毎年3月の最終週は、実需の取引からユーロが強含むことも多いため、今年も同様の動きが見られるかどうかが気になるところです。

ロンドンフィキシングには、イレギュラーな案件も多く持ち込まれるため、その時間帯前後は、急激な相場変動にも警戒が必要です。

この流れでいくと、ユーロドルは今週中に1.0675レベルまで下落する可能性もあるため、値ごろ感で買いに向かうのではなく戻り売りで対応していくべき状況と言えそうです。

 

一週間のユーロドルの動き

 

今の時期は、ロンドンフィックスで実需のレパトリエーションが出やすくなりますが、イースター休暇の影響により、決済が比較的早めに行われる可能性があります。

また、今週はレパトリのみならずリバランスで売られる通貨も多くなるため、週前半からイレギュラーな動きを見せることが予想されます。

東京タイムのマザーマーケットに、ドル円などの大きな売り玉が持ち込まれることが多くなり、東京の仲値が決まる時間帯に、ドル円が急に円高方向へ動き出すという状況も想定しておく必要がありそうです。

日本株購入のヘッジでドル円を買っていた参加者が、株売りとともにドル円をヘッジ外しで売る動きに出る可能性も十分に考えられるため、外国勢の動きにも注意が必要です。

日本勢は機関投資家および銀行勢ともに、すでに今年度の決済を意識し、週の後半は積極的なトレードを控えるものと思われます。

そのため、今週は取引は週の前半が中心になることを意識しておきたいところです。