本邦は年度末、海外は第一四半期末となった3月末の為替相場は通常リバランスや本国へのレパトリエーションなどの特殊玉が市場に飛び出してイレギュラーな動きが示現することが多かったのですが、今年は意外に特別な動きがでることはなく過ぎていくこととなりました。

そして4月第二週目以降イースター休暇明けの相場が果たして3月と同じ動きになるのか変化が現れることになるのかに大きな注目が集りそうな状況になってきています。

ドル円は一旦いいところまで上げた可能性大

3月最終週、110円を一気に突き抜けたドル円は輸出勢がかなり売りに廻ることが想定されましたが、すでに108円以下で相当量の売りを確保できてしまったようで高値で年度末の売りがでることは殆どありませんでした。

このレベルで売り向かったのはほとんど本邦の個人投資家が多かったようで31日に猛烈に買いあがった相場はこうしたショート筋のストップロスを刈る形で110.967円という高値レベルまで上昇することになりました。

ただ、31日のLondon Fixでそれ以上の上昇をすることはなく、4月に入ってからは110円台がかなり堅くなっているものの上値も徐々に切り下がる状態で果たして週明けにさらに上値をためしに行けることになるのかどうかが大きなポイントになりそうです。

すでに111円に接近したドル円は110円を超えると一気に昨年2月につけた112円を目指すことになるのではないかと見られましたが、年初からすでに3か月の上昇を果たし値幅も3月だけで4.8円近く上昇していますから一旦一息つく可能性も高まりつつあります。

とくに4月はシーズナルサイクルとしてドルインデックスは大きく反転下落しやすくなるためドル円もそれなりの影響を受ける可能性が高く、果たして調整がでるのかどうかに大きな関心が集ります。

ドル円週足推移

4月2日、イースター休暇でほとんど市場参加者がいなかった中で発表された米国の雇用統計は予想の前月比64万7000人増に対し、発表は91万6000人増と予想を大幅に上回り昨年8月以来の高い数字となりました。

また失業率は予想通りの6.0%で、米の雇用状況が急速に改善していることを示すものとなりました。

米株市場は休場で動きは見られませんでしたが、これを受けて景気が想像以上に短期で回復するのではないかという予測が強まったことから米債市場では短期から長期まで軒並み売られる展開となり米債金利はまた一斉に上昇し始めています。

とくに注目の10年債はすでに1.7%を常態的に上回るような動きになりはじめており、確実に金利は上昇をはじめている状況です。

ただ、米株のほうはすでにこの金利上昇に敏感にはならなくなっているのもまた事実であり、株価がどこまで金利の上昇に耐えられるのかも大きな注目点になりつつあります。

ユーロドルも4月の反転買戻し上昇に注意

ユーロドル4時間足推移

ユーロドルは米債金利上昇を受けてドル高が急激に進行したことから3月は大幅にドル高方向に下落する展開となり、やはり3月31日に1.17000を割りかねないところまで下押しが進みました。

ただこちらもそれ以上は下落が進まないまま4月相場に突入しており、こちらも週明けにさらにドル高が継続するのかどうかを注視していきたい時間帯となります。

ユーロドルはドル円とは違い今年に入ってからはそれなりの上下を伴いながらの下落となっていますが、やはり例年4月は一方的にドル高が進みにくいこともありますので、ここからは注意深い取引をしていく必要がありそうです。

足元ではほとんどすべての金融市場がかつてないほどの全方位バブルの状態となっており、特に株式市場がここからどこまで上昇するのかはよく判らない領域に入りつつあります。

米株が上昇すれば日経平均つられて上昇しますから4月は株高が続きそうですが、債券金利もそれとはお構いなしに上がりそうな気配ですから、為替が金利についていくのか株価に支えられることになるのかはしっかり見極めることが求められる一週間になりそうです。