10月第一週の為替相場は、ドル円の150円超えと本邦金融当局による介入に注目が集まる一週間となりました。

週初は目立った材料がなく、ドル円は149円台に滞留しもみ合いを続けながら上値を試す動きとなり、3日に発表された米雇用動態調査(JOLTS)の結果を受け、年初来高値となる150.16円まで上昇することとなりました。

しかしその後、ほんの数分で147.400円レベルまで急降下するという場面があり、下落直後は介入ではないかという憶測も飛び交いましたが、介入にしてはあまりにも下落の規模が小さく追撃の売りも出なかったことから、その後は149円台まで値を戻し150円に再挑戦することもなく週の取引を終えています。

6日に発表された米雇用統計は、事前予想では非農業部門雇用者数(NFP)の伸びが直近3カ月同様に鈍いと見られていたものの、結果は33.6万人増と市場予想の17万人増をはるかに超える伸びとなり、米国の年内追加利上げへの期待が高まりました。

短期金利市場では年内据え置きが見込まれていましたが、再利上げの期待から米10年債金利は4.88%近くまで跳ね上り、ドル円もそれに釣られ149.500円レベルまで値を戻すことになりました。

本来ならば、この材料だけでも簡単に150円を突破しそうなものですが、週明けが日米ともに休日ということも手伝い、市場は慎重ムードで上値は限定的なものとなりました。

ただ、今回の米国非農業部門雇用者数(NFP)の内訳を見ると、フルタイムの労働者が減少した分パートタイムで仕事を複数掛け持ちする労働者が急増している状況であるため、景気がよくなり雇用が改善したのとは異なる状況となっています。

 

ドル円一週間の動き

 

週明けは実質的に火曜からの稼働となり、木曜日に米国の月次消費者物価指数(CPI)が発表されるまであまり大きな材料がないため、当面の間米債金利次第の状況が続くことになりそうです。

9月の雇用統計の結果を受け、市場は11月に行われるFOMCでの0.25%の利上げを織り込みはじめており、週明けは米債金利が高止まりする可能性も高いため、ドル円は再度150円超となるかどうかが注目されます。

現状ではまだ介入には踏み切っていませんが、昨年の最高値となる152円の手前で介入してくる可能性が高いため、状況次第では売りを考える必要も出始めています。

介入となれば、ドル円は瞬間的であれ145円レベルまで押し込まれることになるため、介入のタイミングを見極めることが大きなポイントになりそうです。

弱さを払拭できないユーロドル、更なる下落方向を模索か

ユーロドルはドルが弱含めば一定の戻りを試すものの、1.04ドル台に突入する場面もあり、すでに12週に渡り弱含みを継続している状況です。

ユーロの弱含みは過去に何度も示現したことですが、ここまで連続して弱含むというのは珍しく、すでにパリティへの到達も視野に入り始めています。

 

ユーロドル一週間の動き

 

週明けは、1.0400ドルから1.0700ドルあたりを推移しそうですが、売り場となる戻りのタイミングには慎重な見極めが必要な一週間になりそうです。

足元では、主要国の債券金利が一斉に上昇しており、歯止めが効かない状態に陥りつつあります。

中でも最も激しく上昇しているのが米債であり、市場アナリストは10年債でも下手をすると7%近くまで上昇するリスクを警戒視し始めています。
もしそれが現実のものとなれば、ドルは対円でも上昇する可能性があるため、ドル高がどこまで進むのかも大きな焦点になります。

例年であればこの時期は、ドル円は一旦下落しハロウィン明け辺りから年末にかけて上昇することが多いのですが、今年はそうした動きが出ないまま年末まで上昇相場が続きそうな状況です。

債券金利の上昇と金融当局の介入という真逆の方向性により、どこから売りに廻るのか判断に迫られる時間帯になりそうです。