4月も中盤に入り、相場の状況には変化が現れ始めているようです。

まず米株は三指数ともに大幅続伸中で連日史上最高値を更新するといった猛烈な動きになっています。

その一方で米債は3月まで延々と金利上昇を継続してきましたが、4月に入ってからはその上昇が一旦終息する動きとなり先週では急激に買いが入り価格は上昇、金利は10年債を中心に大幅に下落する展開となっています。

日本では年度が変わり2021年度となったことから本邦の機関投資家勢が米債の買いに廻り始めたいことが金利に影響している可能性もありそうです。

ここまで状況が変化するとさすがにドルは主要通貨に対して下落が継続しそうな状況で、4月は大きく流れが変わろうとしていることを強く感じさせられます。

ただ例年5月初旬には再度ドルが強含む展開が見られることからどこまで下落についていくかは慎重に見極める必要が出てきているようです。

ドル円はすでに109円台に戻れない状況に

ドル円4時間足

先週はじめ、109.680円台まで上昇したドル円は結局109円台を維持することができず、週後半はその殆どを108円で過ごす結果となりました。

ただ流れが大きく変わるとされる108.400円以下を試すことはできないまま週の取引きを終えており、大きく下落を示唆するような動きにもなっておらず、週明けさらに下値を試すことになるのかどうかが注目されるところです。

ファンダメンタルズ的には米債金利がもっとも影響をあたえているだけで、それ以外には円高を誘発させるような材料も見当たらないのが実情で、米債金利次第の相場になる可能性もありそうです。

週明け下値をトライしても108.400円すら割れない場合には下落トレンドが一旦終了し、レンジ相場のもみ合いへとシフトすることも考える必要がありそうです。

ここ数日のドル円のNYタイムあたりの動きを見ていますと上げても下げてもそのままほとんど動かない状態で東京タイムにつないでくることが多いことから、そもそもドル円は市場でテーマの中心にはなっていないことがよくわかります。

レンジでトレンドが出ない分、大きくやられることもないことから地道に稼ぐのであればそれほど悪い通貨でもなく動く方向についていくことが重要な一週間になりそうです。

相場の価格帯としては下値はよほど下げても107.500円程度、かと言って上昇したとしてもせいぜい110円がめいっぱいといったところで、このなかでどのように動いていくのかを考えることとなりそうな気配です。

ユーロドルは再度1.2超えを試す展開か

ユーロドル4時間足

一方、ユーロドルのほうは完全に週初から上昇する展開となっており、週末の16日にはロンドンタイムに入る際に1.2すれすれまで上昇する展開となりました。

こちらは4月入りから大きな上昇トレンドを形成していますが、果たしてどこまで上伸できるのかが大きなポイントになります。

テクニカル的にはユーロドルはまだまだ上昇しそうですが、ファンダメンタルズ的にいますと新型コロナの感染もイタリアやフランスでかなりの猛威をふるっています。

決して調子が回復しているとは言い難く、あくまでドルとの相対的な関係の中で上昇が期待されるという状況ですから、ここから上昇したとしても1.21辺りがひとつの節目になる可能性がありそうです。

とは言え、下値も相当堅そうで1.1850レベルがサポートされるかどうかを見ながらの展開となるのではないでしょうか。

先週は全般的に為替はどの通貨ペアも大きな動きをするものがなく、比較的低調な動きに終始することとなりました。

したがって実際のトレードではできるだけ動きの大きなものを詮索していく工夫が必要になるかもしれません。

市場では異常に上昇を続けているのは米株ばかりで日経平均もすっかり動かない時間帯を延々と通過しています。