政権移行当初から入念に練られた政策実行と過分なコロナ対策の支給金配布で着実に支持率を伸ばしてきたバイデン政権でしたが、アフガニスタンにおけるタリバンの全権掌握が起きてからはかなり国民の批難が高まっており、バイデンの指導統率力が存在しないことが完全に露見し、支持率は急激に低下し始めています。

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バイデンが信頼感を落としてしまった理由は、カブールが陥落してからかなり経った後にホワイトハウスに戻りコメントを出してまた夏休みに戻るといった行動と、さらに記者会見の形をとっても記者の質問に一切答えないという姿勢を貫いたことです。

しかも事実誤認の発言をしたことで大統領としての指導力、統率力が無いことを国民に露わにしてしまい、就任当初から囁かれてきた認知症の疑惑も再燃する事態となりました。

特に米軍の撤退期日を巡って刻々と変化する情勢下で、バイデンが発信する情報は前大統領とは比較にならないほど少なく、トランプがいいか悪いかという話を別にしても全くプレゼンスに欠ける状況に陥っています。

アフガン撤退は完了したが驚くべき銃器がタリバンへのプレゼントとなる始末

バイデンは9万人にも及ぶ米国と米軍関係者が8月31日の期日前に撤退できたことは素晴らしい成功を収めたと発言しましたが、アフガニスタンに残された戦闘の銃器類、車両、ヘリコプターなどの最新兵器を撤収させることは出来ておらず、これらすべてはタリバン側が戦闘するための装備品となってしまいました。

9月11日にWTCの悲劇的テロ事件から20年が経過しますが、テロに屈しない強い米国を望む国民にとってはバイデン政権の今回のオペレーションは非常に納得のいかないもので、特にバイデンの強くない姿勢やアフガニスタン問題の他人事感は国民の反感を買う事態になり始めました。

2022年の中間選挙に向けて民主党は盤石な体制で臨みたいところですが、アフガン問題がバイデン政権に大きな暗い影を投げかけており、このままバイデンが大統領を続けることが難しくなることも十分に考えられます。

カマラハリスへの交代は時間の問題か

バイデンは自らカマラハリスが大統領になる日がやってくると発言し、慌てて女性大統領が誕生する日は近いと言い直すなど不思議な発言をし始めていますが、実はもう想定内かもしれませんが、どこでどのような形の大統領交代が行われるのかが注目されます。

恐らく病気などがその理由になっていくと思われますが、中国やロシアの目を考えるとあまり悠長なことを言ってはいられず、金融市場ではほとんど語られないこの問題についても引き続き注視していくことが重要です。

大統領が不測の事態で交代することが起きれば間違いなくリスクオフでドルは売られると思われるので、為替にも応分の動きになることはあらかじめ覚悟しておかなくてはなりません。

日本の菅首相の会見、発言もあまり良いとは言えませんが、バイデンの場合は完全な操り人形のイメージは就任当初から払拭できておらず、安全保障に関わる危機的な状況で信頼感に欠けることを露呈させてしまったことはこの政権にとって致命的な問題にもなりかねません。

引き続き状況の変化をしっかり見守りたいところです。