4月第四週の為替市場は米債金利が下落する中でドルが弱含む展開となりましたが、週後半にかけては米国でキャピタルゲイン課税の導入が現実化しつつあるといった報道から株が上下動をすることとなり為替もドル円が最後に結構な上下の動きを示現することとなりました。

どの通貨ペアも総じて動きは緩慢で1日の値幅もかなり限定的であり、正直なところあまり取引き妙味のない一週間となってしまいました。

週明けは4月27日に日銀の政策決定発表がありますが、3月に一定の調整をしたばかりですから大きな動きは期待できそうもなく、むしろ29日午前3時に発表されるFOMCの政策決定内容の公表とその後のパウエル議長の会見、さらに29日バイデン大統領のキャピタルゲイン課税に関する議会での演説のほうが相場に大きな影響を与えることになりそうです。

ドル円は4月以降延々と下落気味の相場

4月以降のドル円は多少の上下動は挟んでいますが、4時間足で見ますと延々と下落が続いており4月23日のNYタイムには3月以来の107.400円台に行く展開となりました。

ただその後は週末も絡んだのか一気に108円台前半までショートカバーする動きとなり、108.900円台で週の取引きを終えています。

ドル円4時間足

週明けはすでに29日から本邦がゴールデンウイークに突入することとなるためアジア東京タイムは相当場が薄くなることが考えられ、ドル円は下落方向に大きな動きがでることにならないか注意が必要です。

とは言え既に107円中盤以下まで価格は下がってきていますからここから下落に走ったとしても106円程度が精一杯の可能性が高く、逆に連休明けに実需の買いが入って上昇することにも気を付ける必要がありそうです。

今のところドルが急激に買い戻される材料は見当たりませんので当面は戻りがでたら引きつけて売ってみるという繰り返しが利益獲得のチャンスとなりそうです。

ユーロドルはさらに上値試しの可能性

先週のユーロドルは1.1984レベルで寄り付いたあと、新型コロナ感染リスクの高まりもあって一旦下押しする展開となりましたが、米国長期債の金利の低下に支えられてドル売りが進み、週末にかけて1.2100までの高値を試すこととなりました。

この動きは週明けも継続しそうで場合によっては1.22レベルまでの上昇も視野に入れることが必要になりそうです。

4/26のドイツ4月ifo景況感指数、4/29のドイツ4月消費者物価指数などの経済指標が発表となりますが、これが酷く悪化しない限りユーロ高が続きそうな気配となってきています。

ただ、米国のキャピタルゲイン課税がかなり現実味を帯びて米株が崩れだした場合にはドル買いが逆に進むことも考えられますのでバイデン大統領の発言には注意が必要になりそうです。

ユーロドル4時間足

冒頭にも書きましたが、為替は全般に小動きが継続中であり、市場が為替に大きなテーマを感じていないことが窺われる状況です。

ただ株価が大きく変化した場合には必ず為替もその動きについていくことになりますので、気を抜かずにトレードしていく必要がありそうです。

特に29日からは長期連休となりますので日頃と違う動きが出ることも十分にありそうで、週明けから実需筋の輸出勢などが売り玉を出してくる可能性は相当高そうで、ドル円は間違いなく円高方向に振れるリスクを考えておく必要がありそうです。

為替はドルストレートを中心にしてここまでの4ヶ月間あまりはほぼ過去20年の平均的なシーズナルサイクル通りに推移しています。

ここから5月相場に向けてどのぐらいその平均的な動きと乖離がでるのか、あるいはそのままサイクル通りに動くことになるのかにも注目しておきたいところです。