5月8日の米国のエンターテイメント番組、「サタデーナイトライブ」にイーロンマスクが出演するために、そのプロモーション画像をツイートした途端にイーロンマスク信者たちが挙って買い向かったのか、ドージコインはたったの数十分で一気に75セント弱にまで上昇し、冗談から始まったはずのこの柴犬仮想通貨はいきなり仮想通貨の中では1000億ドルの規模にまで成長し、仮想通貨の中でも4番目に浮上する勢いとなってしまいました。
番組の放送前にイーロンマスクが注意して取引きすべきといった内容を発振したこともあってか一旦価格は下落していますが、状況次第ではさらに上昇することも考えられるところにあります。
上がるから買う、買うから上がるの連鎖だけの相場
このドージコイン、今のところ米国でしか売買はできないようですが、先週1週間だけでもその価値は2倍以上の上昇を記録、過去1か月では1000%近い増加となっているわけですから、保有者にとってはたまらないお宝投資であることは間違いありません。
しかしフェアバリューがいくらなのかもはっきりしませんし、人気があるから値が上がるでは「鬼滅の刃」のトレーディングカードのような話しで、保有することで満足が得られるのならそれで構いませんが投機目的で取得した場合、ここからどこまでも上昇する可能性もあるものの、いきなり売りが重なり叩き落されることもありえそうです。
ドージコインに暴落が起きればほかの資本市場にも大きな影響を与えることに
このドージコイン、イーロンマスクがMCを勤める番組がオンエアされてからは駄々下がりとなり、今のところさらに大きく上昇するような動きは見せていない状況です。
ただ市場参加者のセンチメントが変わり、誰かが大量に売りを出し始めると個人投資家は一斉に出口に殺到することになりますし、なによりデリバティブでレバレッジをかけて買っていた場合はいきなり証拠金が枯渇して追証をもとめられたりすると、手持ちの株を利益が出ているものから一挙に売却するといういわゆるミンスキーモーメントに陥ることも十分に考えられ、ほかの仮想通貨から株に至るまですべての金融市場が突然下落の危機的状況に陥ることさえ想定しておかなくてはならなくなります。
他山の石とはできないのが昨今の金融市場の状況であり、例えドージコインを保有していなくても常に相場の状況変化はチェックしておく必要があることを示唆しているといえます。
バブルの最盛期というのはこうした不可解な市場が突然示現しとんでもないブームが巻き起こることが多いものですが、今回のドージコインの暴騰は過去にも類を見ないような勢いとなっており、もしかすると過去に例を見ないような下落に陥る可能性は極めて高くなります。
米国経済は過去に例をみないバブルに突入し、ここからどうなるかは全く判らない状況に
米国では2020年、すべての国内の家計の34%が給付金でまかなわれるようになっており、MMT的な給付金経済が完全に確立してしまっています。
ミレニアル世代はこうした不労所得を一斉に株式投資に投入し、直近ではインフレ懸念からビットコインをはじめドージコインやイーサリアムなどのコインにシフトして投資をつづけているようです。
あぶく銭だからという発想もあるのかもしれませんが、足もとでは新たな求人がでてもミレニアル世代が積極的に応募しないといった不思議な現象も示現しはじめており、計画経済的な色彩が強まることは労働生産性の低下にも繋がりかねない状況です。
米国経済は現在いびつなところに差し掛かっているようで、株価の最高値更新状態も何がきっかけで反転下落方向に動くか判らず、注意が必要な時間帯に差し掛かり始めているようです。