本邦のゴールデンウイーク休みも終え、いよいよ週明けからは5月相場が本格化することになります。

ただこれまでの動きとはまた大きく変化した展開が示現する可能性もあり、週初はしっかりそうした変化がでないかどうかをチェックすることが非常に重要になりそうです。

市場の期待を一振に裏切った雇用統計の結果

5月7日に発表された4月の米国雇用統計は、事前のADPの雇用統計や週間新規失業保険申請件数が大幅に減少したことなどからかなりいい数字が出ることが期待されましたが、結果は非農業者部門雇用者数が26.6万人と市場予測の平均値100万人に遠く及ばなかったことから珍しくドルが大きく売られることとなり、ドル円はゴールデンウイーク中に下落しても深押しにならなかった108円台をかなり深く下落し一瞬108.330円レベルまで押し込む場面も見られました。

恐らくロング勢のストップロスを着けた可能性が高そうですが、ここから週明けにどのような動きになるのかが注目されるところです。

確かに市場予測平均からは大きく隔たる数字にはなったものの、このNFPは書面で各社に問い合わせて戻ってきたものを速報として出していることから結構ブレが激しく、本来はそれほど大きな騒ぎになるような者ではありません。

ただ足もとではFRBのテーパリングがいつ開始されるのかが非常に大きな関心事となっていることからこうした発表を受けてドルは売られたものの米株はそれを好感して大きく上昇することとなり、逆に史上最高値をつけるというなんとも皮肉な展開となっています。

米10年債金利も瞬間的に1.46%程度まで下落することとなっていますが、その後はもとの水準に戻している状況です。

米10年債利回り推移  Data Bloomberg

ドル円は上昇を一旦終えた可能性も

ドル円4時間足

ドル円はゴールデンウイーク期間中の5月3日、本邦勢不在で場が薄い中、ロンドン勢の登場の際に109.698円まで跳ね上がる動きとなりましたが、ストップをつけ終わった後は110円にまで上伸する手がかりを失い、連休のリーブオーダーをこなせたのもこのレベルまでで週後半に向けては徐々に上値を切り下げる動きとなりました。

ただ、108円台へ下落した時間も短く、金曜日までは下値も底堅い動きに終始しています。

ただ、上述のとおり4月の米国雇用統計が予想に反して悪い結果となったことから相場は大きく反応し一気に109円を突き抜けて下落し108.330円レベルから切り返して108.600円台で週の取引を終えることとなりました。

週明けは本格的な本邦のゴールデンウイーク明けということもあり週明け東京タイムには仲値にそれなりの需要がでることから108円を簡単に下抜けるほど売りがでるとは考えにくい状況ですが、引き続き上値は重そうで戻り売りが優勢の時間が続くことが予想されます。

ここのところ見事に動きがシンクロしてきた米10年債利回りはまた1.6%を割る時間が長くなっており、こちらも4月までの動きがウソのように金利は上昇しないようになっています。

ここからもこうした米債金利の推移と相関性の高い動きがドル円となった場合にはドル円は低空飛行をつづけそうな状況です。

ユーロドルはこのまま上昇が続くかどうかに注目

ユーロドル4時間足推移

ユーロドルはゴールデンウイーク入りの3日には1.2031で寄り付いた後、スコットランドの英国からの離脱の是非を問う国民投票再実施リスクが後退したことでポンドが大きく買い戻されたことから週の半ばはユーロ安となり、ユーロドルでも同様の動きから一時的に1.19台へと下落する場面がありましたが、雇用総計の結果で1.217台まで跳ね上がる結果となり、そのまま高値レベルで週の取引きを終えています。

テクニカル的にみますと週明けも強含みの展開が期待されますが、シーズナルサイクルからいいますと5月は中盤までドルがそれなりに盛り返すことが多くなるため、一時的なドルだけへの回帰にも気をつけながら取引を進めていきたい状況です。

下値は1.2、上値はさらに1.2250レベルまで視野にいれた取引が必要になりそうです。