5月第三週の為替相場は仮想通貨が猛烈なボラティティで上下動を繰り返したのとは裏腹に、非常に動きの少ない一週間で推移することとなりました。

こうした状況になった理由のひとつとしては米債金利が突然動かなくなり1.6%台で静かな動きに終始したことがあげられます。

またドルと円が同じ方向に動くことが継続したこともあって、リスクオンでもオフでも殆ど値幅が出ないことがほかのドルストレートの動きを抑える結果になったことが相場を膠着化させたものと思われます。

ただこうした落ち着いた相場がこの先ずっと続くとも思えず、金融市場全体の危ない雰囲気がいつ為替に影響を与えることになるのかを注目していく必要がありそうです。

週明けは実質5月の最終週ということで翌31日は欧米諸国がお休みとなることから月末の特別な決済ダマも飛び出しやすくなることから、日頃と異なる動きが週末に向けて出るリスクも意識していきたいところです。

ドル円は完全にレンジ相場でこれをいつ抜け出すかが大きなポイント

ドル円は週初から上値を試しそうな雰囲気はありましたが、結果的には結果的には日を追う毎に逆に上値が重たくなり後半は108円台で過ごす時間も長くなりました。

ただFOMC議事録でテーパリングの可能性が含みを持たされたような記述になったことでいきなり吹き上がることとなり、上下動を繰り返す動きもみられました。

週末金曜日は下値を追ったもののNYタイムの終わりにかけてまた買い戻される動きとなり109円手前で週の取引きを終えています。

チャート上では比較的小ぶりな三角持ち合いを延々とつづけており、先週段階ではまだ上抜けするか下抜けするかがはっきりしない状況でしたが、週明けこれが明確に方向感をともなった動きとなるかどうかに注目が集ります。

ただ、上値はここから上昇しても110円を超えるかどうかのレベルで、むしろ下向けした場合にかなり下押しするリスクを考えておく必要もありそうです。

110円を超えるためには米10年債金利が1.7%を明確に超えていく必要がありそうで、ここからは引き続き米債金利の動向を常に確認しながらの取引が重要になりそうです。

ただファンダメンタルズ的にはFRBによる量的緩和縮小の可能性が依然として残っていることからドルが一方的に売られるとは考えにくい状況で、結果的に値幅を広げたレンジ相場が継続することも視野に入れておくべきでしょう。

ドルストレートにおけるドル高はクロス円の下落、円高につながることが多く結果としてドル円はクロス円に引っ張られる形で連れ安になりやすいことも十分意識しながら取引きしていくことが求められます。

ドル円4時間足推移

ユーロドルは本格的な上昇相場になる可能性も

ユーロドルは先週半ばにほぼ4か月ぶりに高値となる1.2246レベルまで値をあげることとなりました。

これにより一目均衡表基準線や転換線、90日移動平均線や200日移動平均線といった主要なチャートの重要ポイントを上抜けすることとなったことから、テクニカル的にはまだまだ上を狙いそうな雰囲気が強くなってきています。

ただFRBが金融引き締めに動きそうな経済指標や要人発言がありますと即座に値を戻すことになりますので、こちらもただ買っていればいいというほど簡単な相場ではなさそうで買いを入れるなら十分にひきつける努力が必要になりそうです。

ユーロドル4時間足

金融市場全般としては米株はNASDAQを中心として頭打ちの状況が解消しておらず、債券市場のほうは非常に静かな展開となってきていることから次のテーマを探しているようにも見える時間が続いています。

5月は米国FOMCもありませんので為替としては6月のFOMCまでは足もとのような相場状況を継続させる可能性もありそうで、週明けも地道に利益を積み上げて次の展開を待つような姿勢が重要になりそうです。