4月末、日銀の政策決定会合を経て政策現状維持に加え連日10年債の無制限指値オペの実施が発表されたことから、市場では投機筋中心に待ってましたとばかりにドル円が買い上げられ、とうとう131.200円レベルまで一気に上昇する事態となりました。

しかしその後はストップロスをつけまくったことや一定の達成感もあり、月末を迎えた29日にはLondonFixで明確なリバランスもでて、129.300円レベルまで値を下げる動きとなりました。

多くの市場参加者は月末での下落は相当意識していたようですが、2円幅の下落は結構大きなものとなり、ロングで買い向かっていた向きは一旦損切を余儀なくされた状況となったようです。
3月初めから考えるとすでに15円というかなり猛烈な上昇を果たしたドル円なのでここからさらに調整がでもおかしくはありませんが、ゴールデンウイークということで本邦勢不在となり、例年のように下落のリスクよりもこのまま上昇するリスクのほうに注意を払いたい状況となるでしょう。

目先は132円レベルがターゲットになりそうですが、ここ2か月のドル円の上昇は驚くほど海外のファンド勢が相場に参入して利益を貪っていることから、場の薄い中でさらにオーバーシュート気味に上値を試すことも想定しておく必要があります。

ドル円30分足

4日朝3時のFOMCの政策決定内容にも十分注意が必要

5日の朝3時には5月のFOMCでの政策決定が発表されます。
市場では最低でも50bpの利上げにバランスシートの縮小開始を織り込んでいるようですが、29日の米株市場は低調なアマゾン決算やインフレ懸念から大幅な下げを記録し、実に2020年以来の下落となりました。

低調な決算を発表したアマゾン・ドット・コムが下落の引き金を引いたとされていますが、S&P500は13%で年初来安値をつけNASAQも13%下落と2008年のリーマンショック以降最大の下げとなっており、FRBの緩和巻き戻しに対してかんしゃくを起こし始めている可能性も指摘されはじめています。

こうしたことから、5月のFOMCで材料出尽くしから買い戻されるのか、あるいはそのまま下落が進行するのかは米株市場の先行きを占う上でもかなり大きなイベントになりそうで、株がここから大幅下落で暴落状態に繋がることになれば為替もそれに影響を受けて一転ドルが売り込まれる危険性もあり、この4日のFOMC発表は相当な注意が必要になるでしょう。

ドル円の場合、投機筋の買いで上昇しているだけに一旦リカクの反対売買がではじめれば驚くほど下落する可能性もあり、まずはイベント通過後の初動に注目したいところとなってきています。
その一方で利上げが明確化されたことでドル円はさらに上昇すると予想する向きもかなり多く存在しており、一気に今世紀高値の135円に接近するといった動きも一応は視野に入れておいたほうがよさそうです。

ユーロドルは引き続き下落に注意の1週間

ユーロドルはECB理事会を経て利上げの予測が高まったことから一旦大きく上昇しましたが、その後中国経済の後退懸念などからリスクオフが急激に強まったことを受けて節目の1.05000をあっさり弱含む結果となっており、29日のLondon Fixではリバランスから一定の買戻しとなったものの、その後はまた下げてさらなる下落が進みそうな状況となっています。

当面は1.03000あたりを目指すことになると思われますが、このままの動きとなればまたしてもパリティ1.0000をつけに行く可能性もではじめています。

ユーロドル1時間足

全体的に見てみると、ドル独歩高に加えて円安も並行して進んでいることからドル円はさらなる上昇、ユーロドルはより一層の下落に注意が必要な1週間となりそうです。

本邦は2日の月曜日と6日の金曜日は一応平日ですが大手の輸出メーカーなどは完全に休暇に入っていて仲値で売りダマがでることもありえませんし、逆に輸入勢の買いダマも登場しないというかなり特殊な時間帯が続きます。

この中で投機筋がドル円を買い上げるのか押し下げるように動くのかをまず確認する必要があり、巷は連休気分満載ですが為替相場は重要な時間帯を通過することになりそうです。

いずれにしても東京勢不在であることからアジアオセアニアタイムに投機筋の仕掛け売買も出やすくなり、全く想定外の上昇や下落といった動きに巻き込まれないようにするため注意を怠らないことが重要な1週間です。