例年3月最終週は実需の売買も伴ってドル高円安が進みやすくなるというアノマリーがありますが、今年も最終週であっという間に2円ほど上昇する動きが示現し、週足ベースでは陽線引けが確定した状況になっています。

理由は色々と考えられますが、まずリスクオフで円買いが進んだものがクロス円を中心にして大きく買い戻されたのに引きずられるようにドル円も上昇したことがあげられます。
この間ドル自体は多くの通貨に対して安く展開しましたが、ドル円だけはクロス円と動きを共にする形になったことが週末にむけて大きく値を上げるベースになっているものと思われます。

それでも133円に乗せるまでの東京タイムの相場の動きは荒っぽさがあり、案の定133.500円に近いところではすかさず輸出勢が出てきて頭を叩く形になっており、週明け以降この上げ相場がそのまま続くのかに注目が集まります。
今年の3月末週はここまでドル円が上昇すると考えていなかったトレーダーが相当多かったようで、戻り売りが相当やられてしまい、年度末相場といえども決してあなどれないことを見せつけるような展開となりました。

ドル円一週間の動き

執拗に米10年債利回りと連動するドル円相場

今週のドル円相場で気になったのが、米10年債の利回りの動きに非常にドル円が連動して動くようになっていることで、東京タイムから利回りが下がりはじめると即座にドル円も下落するといった神経質な動きを展開しています。
もともと相関性が高いことは広く知られていますが、ここまで執拗に金利にドル円の動きが連動するというもの珍しく、多くの投資家がこの動きに翻弄された一週間となってしまいました。
リスクオフの材料が一旦消えたことから目安になるものが乏しく、それが債券金利との相関性を強めた可能性も高まっています。

米10年債利回り一週間の動き

シーズナルパターンから言えばドル円は4月初旬までは上昇の可能性も

過去20年間程度のドル円の動きからみると、4月は初旬まではドル円も上昇しやすくなりますが後半に向けては徐々に値を下げていくのがシーズナルパターンとなっています。
昨年のように強力なドル高トレンドがでていた年は全く別ですが、今年の4月は例年のサイクルに回帰するのかにも関心が集まります。

例年4月後半から8月末まではドル円が下落を続けるのがパターンとなっており、これがこのままワークするのであれば当面135円や137円といった高値を目指すのは相当難しそうで、足元の水準から134円あたりが高値水準と考えることもできそうです。
テクニカル的には31日あたりから一目均衡表の雲がねじれることから上値追いを考えるトレーダーも多いようですが、ここからどんどん上値を試すには材料不足の感が否めません。

四月相場は134円程度が上限か

今週で3月相場も終了なので、ここから先ドル円がどうなるのかが市場参加者の関心事となりますが、ここから大きく下げることはなくても130円方向に戻ると考えているトレーダーは相当多く、昨年のようにここからどんどんドル円が上昇すると想定する向きは少なくなっているようです。
FRBの利上げについてもこの先は当分中止で、やってもあと一回という見方がある中で年内にはすでに利下げに追い込まれるという観測も急激に高まりを見せており、この見通しがドル円の大幅な上昇予測の減少につながっているようです。

月末、本邦年度末をからめたドル円相場はみごとに133円台に到達する動きとなりましたが、戻り高値としては結構いいところまで戻っているのもまた事実であり、当面133円と130円のレンジ相場として推移することも想定しておきたいところです。
結果からみればそうたいした相場ではなかった感もありますが、実際にトレードしてみると今年の年度末相場は結構難しかったことがわかります。