今年の3月年度末相場もようやく通過となりましたが、3月最後の一週間はやはり想定外の動きが相場に示現することとなり、多くの投資家が翻弄されることとなったのは言うまでもありません。

ドル円は下方向を模索して今年は年度末上昇相場は見られないのではないかという観測が広がりましたが、最終的には最後の2日で大きく値を戻すことになります。
30日の木曜日から再上昇をはじめたドル円は31日の最終日の東京タイム朝8時過ぎから上昇しはじめ、一気にストップロスをつける形で133円台に上昇、その後も上昇を続け仲値近辺で133.495円レベルの高値をつけることとなりました。
しかしその後は本邦勢から新たな買いが出てこず、年度末を控えた本邦インターバンク勢も市場にはノータッチの中で海外の投機筋が逆に売りを仕掛けたようで、相場は上昇の起点となる132.700円まであっさり値を戻す展開となり参加者を驚かせます。
当然それ以上の上昇を期待して高いところで買い向かった向きは一斉に投げさせられることになりました。

また、午後4時からのロンドン勢の参入では再度買い上がりがスタートし、同日の午後5時45分ごろには133.600円近辺まで再上昇しましたがこれも値を維持することができず、午後9時半の米国のPCEの発表で下押しとなってしまいますがなんとか133円台に回復する動きを見せます。
しかし上昇はそこまでで、ロンドンフィキシングを経てNYタイム終盤にむけて10年債金利が下がりはじめると、結局もとの132.700円水準まで下落し1日でダブルトップをつけては起点の水準に戻るというなかなか激しい相場を示現することとなります。

終わってみればなんのことはないという動きでしたが、相場について行った個人投資家は投げと踏みの応酬に苦戦したのではないでしょうか。
結果的に月足では陰線引けになっており、高値を二回試して134円方向に抜けられずに終わったことも週明け戻り売りを誘う状況になってきています。

3月最終日のドル円の動き

この年度末相場はクロス円の上昇下落もドル円の動きに大きな影響を与えることとなり、例年にも増して激しい動きを見せたのが大きな特徴となりました。

4月は本邦は年度初めのスタートダッシュ時期だが市場は投機筋ばかりの動き

そして週明けから4月相場、国内では新年度ということで多くの個人投資家はいいスタートを切りたいと張り切っていますが、リアルな市場では本邦勢は銀行でも機関投資家でも人事異動や昇進昇格などがあって新組織体制の中で投資計画を立案し実施するのにはそれなりの時間がかかり、早いところでも4月後半、企業によっては5月の連休後からの動きになるのがほとんどのため、それまでは投機筋主体の相場が続くことになります。

投機筋しか出てこない相場の場合買ったものはどこかで売らなくてはならず、逆に売ったものも買戻しを余儀なくされるため、トレンドがでにくい相場の時間帯が続くことになります。
したがって思いきりスタートダッシュをはかるようなトレードをするよりも、状況をしっかり見て実態を確認してからポジションをとっていくと言った落ち着いた取引を行うことが肝要になる一週間になりそうです。

ドル円は一旦上昇材料が出尽くしの状態、ユーロもここからのテーマ待ち

ドル円は最終週ですんなり2円近く上昇したものの、その分を完全に落として週の取引を終えるといった典型的な行って来い相場を演じることになり、4月相場が再上昇になるのかが大きく注目される状況になっています。
年度末の特殊需給も終了した週明け相場の流れが変わるのかがポイントで、ここからさらに大きく上昇するためには新たな材料が市場に提示される必要を感じさせられるところです。

また、表面上はすっかり落ち着いたかに見える米欧の金融機関の破綻リスクですがこれも完全に終結したかはまだ不明で、突然悪いニュースのヘッドラインが登場した途端にリスクオフの展開になるためまだまだ注意が必要です。
ただ下落するのにもなにか明確な理由が必要であり、当面は130円から134円辺りのレンジ相場で推移することも考えておきたい状況です。


ユーロドルもドイツ銀行の問題が進まなかったことから大きな下落は免れていますが上値も重く、ドルの動向にも左右されやすい一週間となりそうです。
また週後半はイースターでお休みになるので欧州勢はかなり薄商いになりやすく、大きく相場が動かない一週間となることも覚悟しておく必要がありそうです。

週末には早くも米国雇用統計の発表が予定されていますが、一連の金融機関の破綻騒動で市場はここからの激しい利上げを予測しなくなっており、経済指標の発表も以前のような大きな反応を見せなくなりつつあるため相場の雰囲気も変わってきています。
昨年に比べると為替相場は明確なトレンドが出にくくなってきており、その都度登場するテーマにあわせて上下動しやすいなので先行きを断定して取引するのは非常にリスクが高い時間を迎えています。
方向感がはっきりつかめないのは市場参加者全体が感じていることですので、慌てずにしっかり状況を把握してから参入することを心がけたい一週間です。