ここのところ上昇に拍車がかかっているビットコインは、5日の取引で約2年前に記録した過去最高値を更新し、初の6万9000ドル超えを記録しました。

その後は一旦下落する展開となったものの、円建てでもすでに1000万円を超えており、その上昇スピードには驚かされるばかりです。

 

年初来からのBTCUSDの動き

 

年初来からのBTCJPY動き

 

日経平均が年初から20%上昇と好調に推移する中、ビットコインの上昇率は年初来62%と日経平均の3倍にも達しています。

ここまで強い勢いを見せているにもかかわらず、依然として高いボラティリティが維持されており、4月の半減期を前に10万ドル到達も視野に入ってきている状況です。

なぜここまで激しい上昇が示現することになったのでしょうか。

BTC現物ETFの上場が新規市場参加の呼び水に

BTC現物ETFの上場当初は、穏やかに推移していたビットコインですが、最近ではこのETF経由による資金の流入が目立つようになっており、市場参加者が明らかに増加していることが、大きな上昇を招く要因となったようです。

また、4月に迫る半減期もビットコインの上昇ボラティリティを支えているようで、一時は下落に転じたものの、多くの市場参加者が上昇はまだ終わっていないと予想している状況です。

年初来の上昇率は62%にも及びますが、そのうちの44%は2月だけで達成されています。

ビットコインは2021年11月10日に、6万8991.85ドルという上昇のピークを迎えています。

この時は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、主要国の金融当局が積極的な緩和策を講じたことにより、資金が市場に流入し相場が急騰する結果となりました。

今回も、AI銘柄の高騰がS&P500市場の大幅上昇を引き起こし、その正相関でビットコインも上昇したものと考えられます。

さらに、クジラと呼ばれるビットコインの大量保有者が積極的に買い増しを行い、新規参加者がこれを追随したことも価格の押し上げと高いボラティリティを生む要因となったようです。

長年にわたるファンダメンタルズの観点から見ると、ビットコインほどファンダメンタルズ的に相場の上昇が説明しづらい金融商品はなく、何が上昇の原因となり、またそれがどこまで継続するのかを予測することは非常に難しい状況です。

ビットコインは特定の国における法定通貨ではないものの、最近では米国債の利回りの上昇に大きな影響を受けるようになっており、FOMCの結果や月次の米国雇用統計などにも反応する商品となっています。

そのため、テクニカル分析以外に、先行きを予測する有効な手段はほとんどないのが実状です。

史上最大規模の時価総額も安心材料に

6万9000ドルを超えたビットコインは、その時価総額もJPモルガンやウェルスファーゴ、バンカメなどの企業をも上回る史上最大規模に達しています。

市場が大きいというだけでは安心できませんが、ここまでの規模になると、応分の参加者が買い支えなければ実現しない相場であるため、この信用度の高まりがどこまで機能するかも気になるところです。

 

仮想通貨相場に存在する明確なサイクル

ビットコインを含む仮想通貨の場合、実需がほとんど存在しない投機商品であることもあり、明確な相場サイクルが存在しています。

このチャートは過去のビットコインの上昇とその後の下落を示すチャートですが、毎回上昇や下落の度合いは異なるものの、ピークを迎えると必ず下落を迎えており、この傾向はエリオット波動分析で見られる流れよりも顕著であると言えます。

 

 

つまり、4月の半減期に10万ドルまで到達する可能性があるとすれば、その後には相応の下落が待ち受けていることは明らかです。

上昇トレンドに追随するのはピークまでで、その後は逆張りで利益を得ることができる可能性が示されています。

今回の上昇においては、10万ドル到達が必ずしも約束されているわけではないため、ピークがどこにあるのかを正しく判断することはできません。

しかし、頂点を突破すれば大幅な下落が待ち受けていることは確かであるため、このような状況下であれば、BTCのCFD取引で利益を狙うという選択肢を選ぶのもよさそうです。

ただし、上昇の途中で値頃感から売りに向かうことは依然として危険であるため、しっかりとピークを見極める力が求められます。