いよいよ23日から東京オリンピックが開催となり、実際には21日から予選が開始されますが、開催前に東京での新型コロナ感染者が急激に増加しており、東京オリンピック開催中には感染者数が予想をはるかに上回る可能性が高まっています。

このままでは東京をエピセンターにしてとてつもない感染爆発を引き起こしかねません。

しかし既にワクチンの供給は遅れており、最悪の事態が起きることになるかもしれません。

感染者は最悪の想定をはるかに上回る危険性大

厚労省アドバイザリーボードの会合で報告された京都大学ウイルス・再生医科学研究所の古瀬祐気特定准教授による感染シミュレーションでは、強い対策なしの最悪のケースだと7月14日に1000人、下旬に2000人、8月上旬に3000人、8月10日ごろには4000人に達すると予想されています。

しかし既に現状ではこれを上回り始めており、更に今週ピークを迎える五輪で来日する選手、関係者の中でも続々と検査陽性者が出ていて、五輪開始を待たずに予想された感染者数を超える危険性はかなり高まっていることが分かります。

毎日の東京都感染者数推移

東京都の新型コロナ感染対策関係者の話では、感染者数が増えたのは決して検査数を増やしたからではなく、実際には公表されている数字の4倍程度は感染者が存在する可能性もあると言われていて、すでに事態は最悪の方向へ向かっていることが分かります。

政権はこうした数字の詳細を五輪期間中はできるだけ公表しない方向に動くのかもしれませんが、この五輪期間中は数万人規模で海外のジャーナリスト、テレビ局、新聞社が訪れます。

これまで国内のマスコミに対応してきたように知らぬ存ぜぬで、五輪との因果関係なしなどという話で乗り切れる可能性は極めて低く、海外メディア経由で感染大爆発が報道されるリスクが高まるでしょう。

問題は本邦金融相場への直接的影響

日本の個人投資家にとってはこの五輪期間中にどれだけの感染者が出るのか予想が難しく、とにかく自分が感染しないようにするだけで精一杯の期間になると思われますが、相場にも直接的な影響がで出ることが非常に危惧されています。

日本では今週後半に国民の休日を集めたワンオフの連休が実施され、8月9日も土日に繋がる連休ということで日本勢は不在です。

このタイミングに変異株感染爆発などという報道が海外主導で駆け巡ることになれば、相場が日本起因で下がるリスクがあります。

特に短期の投機筋がこうした材料をきっかけにして大きく売り込む仕掛け売買をしてくる危険性は充分に考えられるので、相当な注意が必要になりそうです。

これまで新型コロナの感染では欧米の感染者爆発的拡大をきっかけとして昨年3月に相場が大きく下落しましたが、今回の場合は国内での問題が原因で発生することになるので、ドル円や日経平均は通常以上の影響を受ける可能性が高く、ここから8月中盤あたりまではロングを取らずに、常に相場の状況をチェックした方が良さそうです。

ドル円が下落することになった場合に果たしてどのぐらいまで落ちるのか気になるところですが、市場参加者が少ない場合はオーバーシュート気味に100円に近い水準まで下落する可能性が無いとは言い切れないので、あまり楽観視しない方が良いかもしれません。

もし日本から五輪の選手や関係者、外国からの来賓を媒介として変異株感染を輸出してしまったら、相場に間違いなく大きな影響を与えることになるでしょう。

できればこのまま大ごとにならずに終わって欲しいと思いますが、足元を見てみるとそんなに簡単に終わらない雰囲気が日々強まっているのが現状です。

相場の話でこうした内容が関係してくること自体かなり違和感を感じますが、見て見ぬふりをすることなく状況を常に認識しておくことが大切です。