いよいよ来週は、今年一年の締めくくりとなる12月の最終週に突入します。

主要国では週明けの25日がクリスマスで祝日となり、翌26日もイギリスやオーストラリアなどではボクシングデーと呼ばれる祝日にあたるため、実質的に市場が稼働するのは27日から金曜までの3日間と言うことになります。

日本ではクリスマスが明けるといよいよ年末という雰囲気が強まりますが、欧米では多くの企業が早くも新年度入りとなります。

そのため27日は、長い間クリスマス休暇をとっていた多くのファンドマネージャーたちが復帰し、一足早く新しい一年が始まるタイミングとなっています。

クリスマス後の「サンタクロースラリー」に賭ける米株投資家も

米国の株式相場では、クリスマス明けから新年1月にかけて株価上昇の期待から株式が大きく買われる「サンタクロースラリー」と呼ばれる現象がよく見られます。

日本でも大納会に向けて株価が上昇する「掉尾の一振」という言葉がありますが、米株市場では、今年最後にこのサンタクロースラリーを期待する声が広がっています。

為替相場でも今年最後のラリーを期待したいところですが、足元ではほとんどの通貨ペアがシーズナルサイクル通りに動いている状態です。

ただ年末最後の3日間ともなれば、実需の動きも活性化することが考えられるため、サンタクロースラリーとまでは行かなくても、取引きの増加が一定の方向感を強めることは想定しておく必要がありそうです。

月末リバランスはドル円を中心にドル売りか

欧米企業はいよいよ年度末を迎えるわけですが、市場では円売りの巻き戻しとともに実需ベースでのドル売り円買いというリバランスの動きが明確になる可能性もあるため注意が必要です。

マザーマーケットである東京タイムの仲値前後に、ドル円の大玉の売りが持ち込まれ、相場が一気に円高方向へ動き始めるということも十分考えられます。

日本では27日が年内最後の取引日となりますが、28日と29日は海外勢による通常取引が続きます。

そのため、30日までロンドンフィックスで海外勢によるリバランストレードが発生し、相場が大きく動く可能性も意識しておきたいところです。

クリスマス明けに起こる突然のトレンド転換には注意

25日と26日は主要国が祝日となり東京タイムだけが稼働する状態となるため、ほとんど動きがなくなるであろう仲値後は積極的な取引を控えたほうがよさそうです。

27日の東京タイムは、市場に参加者が戻ってはくるものの本邦勢だけの動きとなり、ロンドン勢が市場に戻る16時以降に相場が活性化するものと思われます。

多くの欧米企業にとっては、ここからが実質的な新年相場になります。

この時期に市場参加者が最も気をつけなくてはならないのは、突然発生する相場の大転換であり、このような動きが発生する要因としては、海外勢の新年度における投資戦略の変更などが考えられます。

相場自体はクリスマスからシームレスに展開するため、特に変化は感じられないという個人投資家の方も多いかもしれませんが、クリスマスを機にそれまでとは明らかに異なる動きが強まる可能性があります。

クリスマス明けの週は、週半ばにむけて本邦勢による手仕舞いが本格化するのとは対照的に、海外勢が新年度をスタートさせる週でもあるため、センチメントの違いから想定外の損失を生まない様、注意すべき一週間となりそうです。