日本は国民の休日である9日から全国的なお盆ウイークで日本勢は完全にお休みモードとなりましたが、前週末の米国雇用統計の好結果を受けて110円台に乗ったドル円はその後大きい材料がないまま堅調に推移し、日本勢の110.500円レベルからのリーブオーダーも徐々にこなしてとうとう110.801円までタッチするほどの上昇を見せました。

ただ110.800円から上には、111円を超えるところまで相当なボリュームのリーブオーダーが置かれていて、さらに110.600円レベルに15億ドルを超えるとみられるオプションが置かれていたことから、上昇はそこでストップし金曜日に向けて反転して下落する動きとなってしまいました。

お盆時期にはなかなかお目にかかれない一時的なドル円上昇相場を見られました。

ドル円4時間足お盆ウイークの推移

実需不在をいいことに投機筋が仕掛けたテーパリング催促相場か

このお盆ウイークというのは日本のみならず米国でもかなりの市場参加者が休みをとっているシーズンなので流動性は本当に低く、そんな中で仕掛け売買をするとアルゴリムやAIでもそれなりの価格操作に近づけられる仕掛け売買ができます。

短期の投機筋なのかもしれませんが、どうやら今年の8月お盆ウイークはまさにそれを仕掛けられたようで、あまり高まらない米国FRBのテーパリング期待を上げながら大きく値を上げることに成功しました。

お盆前の4日のロンドンタイム午後8時台には一旦108.723円まで下落しているので、かなり短期間で2円持ち上げに成功したことになります。

しかし投機筋なので買ったものはどこかで反対売買をすることを余儀なくされ、今度は木曜に入ってから上値が重たくなり、13日のロンドンタイムからはそれまで崩れなかった110.300円レベルを下抜け、結局同日のNYタイムには110円を割れてずるずると崩れ出し、ロングの投げも伴って109.600円割れまで下落すると言ったかなりエキセントリックな展開となってしまいました。

市場の見方としては米国FRBのテーパリング早期実施を催促するかのような相場に見えましたが、実際は投機筋の仕掛け売買が成功しただけだったのかもしれません。

この夏の時期でドル高円安になったのは2014年以来ですが、月間でみると結局円高に落ち着く可能性もで始めています。

ここからジャクソンホールまでは動かない相場へとシフトも

お盆休みに無理やり上値を試したドル円は、ここから月末まではほとんどレンジもしくは膠着相場で8月26日のジャクソンホール会合までは逆に大きく動かない時間帯になるかもしれません。

夏の閑散相場にはあまり理解ができない相場の動きが出ますが、今年もかなりそれに近い動きになるでしょう。

またジャクソンホール会合ではテーパリングを暗示するような発言が出ない可能性も高く、噂で買い上げたものは事実売りで大きく売り浴びせを食らう危険性もあるためかなり注意が必要です。

米国では60兆円のインフラ計画案が議会を通過しようとしており、今は利上げをするタイミングではなく、来年に迫った中間選挙のことを考えれば迂闊に株価を崩したくないと考えているでしょうし、結局FRBのメンバーは色々と発言しても最後に新FRB議長が決定するまでは何も変化がないかもしれません。

ジャクソンホールが近づけば再度ドルを買い上げるような動きが出ることも考えられますが、相場がそれにどこまでついていくかは慎重に見極める必要があるでしょう。