新型コロナや五輪開催などで忙しい中、とうとう今年も8月相場に突入です。

米国ではすでに新型コロナの流行が一旦終息した状況で、今年は本格的な夏休みをとる市場参加者も多く、既にNYタイムは株も為替も取引が減少し始めており、典型的な夏枯れ相場が市場を覆い始めています。

8月第一週は6日に米国雇用統計が控えていますが、それ以外は特に主要な経済指標発表は無いので、ボラティリティがない中で突然大きな動きがでることに相当な注意が必要になる一週間です。

ドル円は20年間8月は下落傾向だが月間騰落率ではほぼ五分五分の微妙な状況

8月は実需も機関投資家も相場に現れないので、相場にいるのはアルゴリズム、AIと一部の個人投資家で相場にトレンドは出て来ないでしょう。

ドル円を長くトレードをされている方ほど8月は下落しやすいという印象を持っていると思いますが、月初からお盆休みまでは国内でトレードする人が激減し下落することが多いものの、実は月の後半に戻すことも多くなるので、月間の当落率ベースではほぼ五分五分の状況が続いています。

今年の夏もこうなるかどうかは分かりませんが、実はこうしたアノマリーに極めて近いシーズナルサイクルはAIが精密なトレードチャートベースで分析しており、確率的な検証をかなり進めています。

足もとの相場では日本における新型コロナの感染者数が昨年1月以来最多人数になり、これを嫌気してドル円が下落する可能性に最大限の注意を払った方がいいでしょう。

五輪は13日までなのでまだ2週間ほど期間が残されていますが、この間にデルタ株の感染爆発がさらに進んだ場合、来日中の海外メディアが各地で報道し、最終的に日本株とドル円が大幅に下落するリスクについても考えておく必要がありそうです。

8月下落の中心は豪ドル円とNZドル円か

8月初旬の為替相場は軒並み低調な動きになりますが、その中でもかなり異なる動きになるのが南半球で真冬を迎える豪ドルとNZドルです。

8月は両通貨ともに主要通貨に対して大きく下落しやすく、特に豪ドルは非常に弱い推移を見せることで有名です。

毎年下落すると断定することは出来ませんが、過去20年の豪ドル円を見てみると約8割の確率で月足が下落しているので今月も同様の動きがでるかどうかに注目が集まります。

同じオセアニア通貨のNZドルについては中央銀行がかなり積極的に金融引き締めを行って不動産価格の高騰を抑えようとしているので、豪ドルとは異なる動きを見せる可能性もあり注意が必要になるでしょう。

シーズナルサイクルやアノマリーはあくまで過去の結果に過ぎません。

完全に信用したトレードをするのは危険ですが、FXは確率に賭ける投資ビジネスなので8割近い確率で豪ドル安になる可能性も高く、本当にそうなるのかしっかり見極めてエントリーしていくことが重要です。

いずれにしても相場の動きは相当ゆっくりになるので、無闇にポジションを持つといったやり方よりも、ポイントで抑えて利益をしっかり確保していく方向にトレードを進めていきましょう。

西側主要国では新型コロナ流行は一定の収束感が見られますが、日本はまさに感染大爆発の真っ只中で、五輪がきっかけで世界にデルタ株の再感染が広まれば金融市場にも相当厳しいレスポンスが現れるかもしれません。

とにかく充分注意が必要な一週間であることは常に意識しておいた方が良さそうです。