すでに8月も終盤となり今年は残すところ4か月と後半戦に差し掛かってきています。

日経平均、TOPIXは6月から調子の出ない相場が続いていますが、それとは裏腹にじりじりと上昇を続け、調整する素振りすら見せない状況にあるのが米株S&P500です。

ただ、ここから年末にかけての動きについて市場の予測も相当分かれ始めており、どうなるのか非常に気になるところです。

果たしてこのまま全く調整しないで上昇を維持できるのか、反対に反転下落になるのか、ここからの相場にはたくさんの注目が集まります。

Data Tradingview

画像のS&P500のチャートを見てみると、今年の相場は年初から多少の凸凹はあるものの6か月以上相場が上昇を継続しており、米国株式市場がスタートして150年近くなりますが6か月以上調整なく相場が上昇を継続するというのは40回ほどしか見られておらず、貴重な状態であることが分かります。

ここからさらに年末まで上昇が継続するとなるとこの動きは奇跡的な領域に入りそうで、相場の自律的循環がワークするのであれば、ごく近い将来に一定の調整下落が入ってもおかしくはないでしょう。

ただこの上昇は相当な薄商いの中で実現されているもので、取引ボリュームが少ないのが気になります。

8月薄商いの中で持ち込まれた大きな売り玉によってゴールドの先物が凄まじく売られて暴落したのは記憶に新しいですが、取引が少ないときに大きな売りが出ると米株相場もゴールドと同じような状況になってしまうので、ここからの相場は相当な注意が必要になります。

CNN恐怖と欲望指数はこれだけ株価が上昇継続しても恐怖が高いままの状態

このコラムで何度もご紹介しているCNNの恐怖と欲望指数は、リスクオンの上昇相場状態では欲望にメーターが大きく振れるものですが、足もとは25とかなり恐怖のほうが高まっており、市場参加者が想像以上に現状の相場に警戒心を持っていることがわかります。

Data CNN

一般的には市場参加者の恐怖心が高まっている時には相場は暴落しないと言われますが、それでもここから相場がさらに上昇を維持できるのかについては微妙で、どうトレードするのか非常に大きな問題となってきているようです。

米株の大幅下落は日本株にも影響を与え、当ドル円などの下落に拍車をかける材料になるので、ここからの動きは非常に気になるところです。

相場の下落は、一旦上昇が止まり売りがかさんで価格が下がり始めるとそれまで買っていた向きが一斉に売り場の出口に殺到して起きるとされていて、どんなに高値でも簡単に暴落の引き金を引くことはあり得るので、この指数が低くてもすごいことが起きる可能性は残されています。

とにかくここからは慎重に対応することが一番

冒頭に書きました通り、米株の上昇は相当なレアケースの域に入り込み始めており、いつ上昇終了反転下落になってもおかしくはありません。

強気と楽観論だけで買い進む選択肢も残されていますが、それなりの利益が出ていれば一旦リカクして様子を見ていくと言うのも良いと思います。

相場のことなので先行きを断定したり正確に予想したりすることはできませんが、FRBが緩和をやめなければ、あるいは相場下落でさらに緩和を拡大するような動きにでれば、年末か2022年の米国中間選挙に向けて米株はまた上昇を継続するかもしれません。

別の視点で見てみると、もしかしたらどこかで大きな調整に直面する可能性もあります。

具体的なタイミングは答えられませんが、意外に早くなることも十分に考えられるので準備しておく必要があるでしょう。

シーズナルサイクル的には8月後半から9月は米株は決して強い時期ではありません。